
今更ではありますが、姫野カオルコ大センセイの
『整形美女』を読みましたので、感想でも。
結局、自分に自信がない男というのは、美女ではなく、「適度にブスな女性」を選ぶことになる、という「ケインズの美人投票」の原理が、非常にうまく書かれている小説でありました。解説にあるとおり、「高度資本主義経済の精髄のような作品」であります、はい。
美人過ぎて「高飛車」「お高く止まっている」「どうせ俺なんて相手してもらえない」と男たちから外見だけで判断されてしまい、結果としてモテない美女は、整形でわざわざ「ブス」になるのを選ぶ。。
そして、過去の分析を元に、「論理性のない言葉遣いこそモテるために必要」であり「時としてヒステリックになることこそが、男が安心する女らしさ」であるとの確信から、それらを武器に、見事、玉の輿に収まる(苦笑)。
逆に、もともと適度にブズだったがゆえに、「親しみやすい」「話しやすい」「劣情を誘う」と男性から評され、男には不自由しなかった女性が、美人になりたいと思い、整形して「絶世の美女」になってしまう...。
さて、彼女たちの運命やいかに。。二人の主人公の選択と生き方が交差し、そしてまた乖離し、読む者に真実を教えてくれる作品でありまする。
結論。やはり、イメージに振り回される人は多し。(ってことなのかな、ふむ。)
#Painting: Delia Brown,Chesley Green, Double Self-Portrait (French Grey), 2006