戯言、もしくは、悪あがき。
散る散るミチル
ミチルは果てた
充電切れたら
今夜も寝逃げ

2010年07月01日(木) うず

きみと出会って
わたしがもうひとり生まれた
つるんとしてまっさらで
まったく自由なわたしは
わたしのなかで
きみとして育った

わたしのきみとわたしは
手をつないで
くるくるとまわりながら
すっぱいものや
ひりひりしたものや
めをあけられないほどまっしろな
砂粒みたいな破片を
まきちらしては
思いのほかたくましく
すくすくと育った

二人三脚をして
よくつまずいた
うずくまったまま暴言をはいたり
あきらめたりなぐさめたりしながら
それぞれに手足をのばして
いろんなものをつかんだ
共有したものもあったし
奪いあったりもした
まったくべつべつのものもあった

いくつかの夜のことを
鮮やかにおぼえている
窓から来るひかりがずいぶんあかるくて
空気は湿っていた
きみは寝息をたてていた
ちっともさみしくなかった
眠るきみのかたちが
とてもかわいらしくて
うれしかった

ひとつのからだのままで
どこまでいけるだろう
でも
ふたつのひかりが
くるくるとまわりながら
だきしめあったり
なぐりあったりしながら
ダンスしてる
エネルギー
それを
生命力と呼んでも
いいんじゃ
ないかって

きみにまつわる
ぜんぶがほしい
そしてきみになりたい
あるいは
きみのポケットに入って
どこまでもいきたい
きみにまつわる
ぜんぶがにくい
この世の中でいちばん
残酷な方法で
傷ついてそして
打ちのめされた果てに
消えてしまえばいい
きみにまつわる
ぜんぶが
とても
いとしい
だから
世界が
いとしい
ここにいたいとおもう
しあわせのことをおもう
だいじょうぶなんだと
無責任におもう
わたしを
もう
ゆるせばいいと
おもう

それを
生命力と
よんでも
だれも
死なない
だれも
だよ

ひとつのからだで
どこまでいけるだろう
ほんとうに
気が遠くなるけど
きみをいとしくおもうように
わたしのきみをいつくしんで
わたしのきみを抱きしめるように
わたしを
ゆるせたら

この夜の寝息は
ここにしかないけど
ちっとも
さみしくない
とはいわない
けど
わらえるから
それが
すべて

しあわせだよ

しあわせになるんだよ


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