| 2003年03月14日(金) |
星組 レビュー・アラベスク「バビロン〜浮遊する摩天楼」 ■未■ |
場面ごとに書きます。順不同です。
「魔都」 ヘス路線まっしぐら...2階席から観ると白目しか見えない、というのもそうだが(笑)、表情に邪悪さと妖しさが滲み出ているのだ。娘役とのデュエットシーンで、例えば香寿たつきがするような男性が女性を狙う目つきではなく、この世ならぬ者が人間を狙う目つきになってる(ここで矢代さんが♪獲物を狙っている、と歌ってるね)。あえて喩えるなら血を吸う寸前の吸血鬼のよう。口だけで笑ってる所がね。もちろん、香寿さん同様エロ路線(!)ではあるんだけど、夢輝さんのは全く異質のもの。性差を決められないエロなのよね。女性だけど、あの残酷さに満ちた陶酔の表情、サロメが似合いそう。「私はお前に口づけしたわ、ヨカナーン...」。
男役だけになって、ガイチさんの歌「ああ この世の邪悪の全ては この街バビロンから生まれる」に合わせて群舞する時、シャープに力強く踊ってかっこよさを見せ付けられた一方、青いシャツから覗く細い首筋にすごく女性としての色気を感じた。これぞ男役の醍醐味ではないか。男のようで女、女のようで男...どちらとも付かない両性的(両生類じゃないよ!)な魅力。「中性的」ともちょっと違う。もっと幅広いのよ!
そして、宝塚にしてはシンプルな黒のスーツ姿である所も色気を際立たせていた。肩や腰がほっそりしていて(夢輝さん、宝塚の中でもスマートでスタイルいい方?)、いかにも男装した女性、という風情があり、下手に飾り立てるより女っぽく見えた。夢輝さんのスーツの男を見て、男役とは「本物の男性より男らしい理想の男性」ではなく、「男でも女でもない妖しい生き物」だということを発見。
「砂塵」 「バビロン」は全体的に場面転換が非常にスムーズなのだが、ここも導入がうまい。舞台いっぱいにたなびく布が砂丘のようで、自然と砂漠の街に来たような気分になれる。音楽も遠くに来た、と言う感じで。夢輝さんの男性でも女性でもない魅力が発揮されたのがこの場面のマレーネ役。最初男っぽく感じたが、なんのなんの、充分女性としても色っぽいです。恋人役のまとぶんは「男の」色気あるし。足を出してないのも物足りなかったが、べったりと香寿さんに迫る時、まともな女装(スカート、レオタード)だったらどぎつくなり過ぎてただろう。 (続く)
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