『人間失格』

小雨の降る寒い中、映画「人間失格」を見てきました。

感想は・・・まあ・・・・何つーか・・・鬱になれること請け合いです。
原作は読んでるのですが何分読んだのが15年ほど前でして・・・記憶が薄れててラストシーンとタバコ屋の女のシーンと妻の浮気が元でどんどん病んでいくとかいうあたりしか覚えておらず。
最後、精神病院入って終わりだと思っていたので入院したあたりで「そろそろラストか〜救いようないわ〜」と思っていたら「お父様が亡くなられたので、後継者のお兄様の意思に従って津軽で療養してください」とか平目が言い出した時「ええええ〜まだこの鬱々が続くの!?」って心で叫んじゃったよ!
津軽って何!覚えてないよ!
と焦ってたら実際そんなシーンはないらしい。最近原作を読み直したと言う友人が言っていた。
ですよね〜焦ったよ〜三田佳子さんの役とか出てないよね。
もしあんなシーンあったら絶対忘れないもの!と思った。

いやはや出てくる女性が皆一様に妖怪じみてて・・・いや、なんとゆうか嫌なキャラとかいうんじゃなくて、精神が不安定な人間の不安感を増殖させるようなキャラと言うか・・・
最初の方に、主人公が裸婦の絵画を「おばけ」と言い切るシーンがあるんですがそういう感じです。
主人公にとっては女たちは結果的に全員お化けだったに違いないです。
例外は飲み屋のマダムだろうか。唯一主人公にとって「女性」ではなかったようなので。

映像を重視する監督だそうで、それは分かると思った。
鎌倉の海、心中のシーン。中也と再度鎌倉の海に行く時のシーン、トンネルの中の花火。
ラストの方、津軽の雪景色と海のシーン。
正直あんまり内容はない話なので(原作も・・・)映像美に拘るというのもある種の方法だと思います。

ところで相手役の女性がほぼ全員主人公より年上ではないですか?(役柄も役者さんの実年齢も)
年下は石原さとみちゃんくらい?
いいんだけども、その・・・・室井滋さんが出て来た時、普段より女っぽい感じの風采だったので「まさか・・・」と思ったら結構なラブシーンがあり、三田佳子さんに至っては「まさかまさかそんなまさ・・・・」という感じで何つーかもう。
三田佳子とのシーンは、舞台身毒丸を思い出した。
もう襦袢姿の三田さんが斗真が寝てる布団にもぐりこんできた時、完全に白石加代子に見えた・・・・


どうでもいいけど、最後主人公の妄想としか思えないシーンがあり、汽車の中で今まで主人公の人生に関わってきた人たちが全員出てきて思い思いのことを言ったりしたりしてるんですが。
これ、主人公の中の他人のイメージ画像だと思うんですけども。
中原中也が桃の花を枝ごと肩に背負って歩いてくるんですけど、正直主人公の関わった女性の皆さんの誰より可愛らしく綺麗なイメージでした・・・
中也と初めて会った時、中也に「何の花が好きだ?」と聞かれた葉蔵(主人公)はとっさにそばにいけてある花を見てそのまま「桃の花」と言うシーンがあるんですがそれにかけてるんでしょうか。
しかしとっさとはいえ主人公が一番好きな花と言った桃の花を背負って出てくる中也・・・
えええ、主人公にとっての中也ってこんなん!?
中也と心中できたらよかったのに、と友人が言ってましたが、私もちょっとそう思った。

色々言いましたが、想像してたよりよかったです。
しかし斗真くんはいい役者さんになったなあ、と思いました。
2010年03月07日(日)

ニッキ / 松

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