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■花から鼻へ
2008年06月12日(木)
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朝起きて、娘・R(4才)をだっこしてトイレに連れて行くことから1日が始まる。

はいはい、おしっこしー、と用を足させて、

「次は着替えだー」

とトイレを出ようとしたところ

「うんちでそう」

引き続きトイレで長期戦の構えに入った。

便秘気味のRにやわらかなお通じが…いや、仮にも女の子なのでここは「花を摘む」という表現を使うこととする。

「よし、頑張れな。パパは座ってお花摘むのを見てるから」

Rは僕の肩などに掴まってふんばる…もとい、花を摘むことが多い。この時も僕が「掴まり役」として必要だろう、と思っていたのだが

「いやっ。パパはあっち行ってて」

どーん。初めてのトイレ追放宣告。幼稚園ではひとりでトイレに行けるのに、家では

「パパがいる時はパパと行きたいの」

とわざわざ僕と行きたがるRが遂に独り立ちの時が来たのか…。「行く時は一緒よ」じゃなかったのかーッ!あの言葉は嘘かーッ!

本来自分でやろうとする心掛けは親として喜ぶべきだろう。しかし僕は喜びより一緒に花を摘むことの終焉に深い悲しみを覚えた。お花を摘む時のなんとも言えないふんばり顔が好きだったのに。

「え〜でもひとりで大丈夫〜?」

未練がましく言ってみると

「ひとりでするの!」

父の心境とは裏腹に頼もしいお答えが。

「わかった。じゃあお花摘んだら呼んでな」

僕も男である。未練がましいのは見苦しい。潔くトイレを出て扉を閉めて、Rがいつお花を摘み終わるまでトイレの前でうろうろと待っていた。出産を待つ夫のようである。

「こういう時男って無力ですよね…」

とか看護師に話しかけるフリをして手持ち無沙汰を紛らわしていると

「お花摘んだー」

待望のRの声が。産まれたのは男か女か!とばかりにドアをバーンと開けると…

Rは懸命に鼻をつまんで僕を待っていた。そうだよね。臭いからね…というよりも

「水を流せばいいじゃないか」

「いやあん、それはパパがやって」

お花を摘んだ後は鼻をつまんでいたとさ、という臭いネタ。なんだか中途半端なトイレの自立だなあ…と思ったら翌日

「パパとお花摘みに行く〜」

昨日のことはなかったかのように、いつも通りのトイレのお誘いが。あの大見得切ったトイレ自立宣言はどこに行ったのだ。トイレだけに水に流してってか(ありがちなオチ)

僕とRのトイレランデヴー。おならブー。いつまで続くのか。これはトイレだけに

紙のみぞ知るってか(ありがちな二段オチ)

そうだよね。臭いもんね…」

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