子供達と公園で遊んだサタデー。
「ブランコで遊ぶー」
息子・タク(2才)がブランコ目がけて駆けて行くと
「Rちゃんもブランコする!」
娘・R(4才)もタクの後を追って走る。
「ははは、かけっこ競争だな!」
僕がふたりを煽りながら並走。走るのは当然姉であるRの方が速いが、タクの方が先にスタートしている。ゴールのブランコまでにRがタクを追い抜けるかどうか。ブランコまでおよそ50メートルぐらい。その間の勝負である。
「R選手、タク選手を抜けますでしょうか?」
僕がRに問うと
「Rちゃんの靴は速く走れる靴なの!」
Rは走りながらそんなことを言う。そういえばRの靴は最近嫁が買ったばかりで、その際店員に
「この靴は走りやすいように考えて作られたもの」
と言われたらしい。それをRは「速く走れる」と解釈しているようだ。履くと速くなるってスピード社の水着か。もしくはジェットブーツ(「ドルアーガの塔」でキャラの動きが速くなるアイテム)か。
その靴の効果なのかどうなのかはともかく、Rはわりとあっさりタクを追い抜き

「ほらね、Rちゃんの靴はとっても速く走れるのよ」
自分の靴自慢を始めた。
「ふーん。いい靴なんだねえ」
とか僕と喋っていると、そこにタクが横からすたたた…と再びRを抜き去り

「たっくん、いちばーん」
ブランコにゴールインし、とっととブランコ席をゲット。ブランコは他の子も使っており、タクが乗るともう空きがなくなってしまった。
「Rちゃんもブランコ乗りたいのー」
「ははは、空くまで待ってな」
Rのとても悔しがる姿を見て、そういえばまだウサギとカメの話はしたことがなかったな…と思ったのであった。
「パパ!もっと強く背中押して!」
一方で俺様天下状態のタク。こやつはなかなかしたたかなカメである。
「はいはい。それ、くちぶっえっはっなっぜー。遠くまで聞こえっるっのっ♪ぶらんこぶらんぶらーん」
アルプスの少女ハイジのオープニングばりに高く揺らしてやると
「ちんちんぶらんぶらん?」
本当にしたたかな亀の頭…ってやかましいわ。
このお下劣さは血なの?おしーえてーおじいーさん…。
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