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■自信無いナリ恥親父
2008年01月07日(月)
「ちょいワルだ!」

「ちょいワルだよね!」

「年賀状でもやっぱりちょいワル!」

「今年もちょいワル!」

Rと幼稚園が同じクラスのマユちゃん一家の写真付年賀状をみて同じことを言っていた僕と嫁。マユちゃんのパパは見てくれがちょいワルオヤジなのである。

サラサラの髪に少し黒めの肌でタフでクール、そしてワイルドな感じ。ナイフみたいに尖っては、触る者皆孕ませる、みたいな感じ。

「みしてみして〜」

僕らが騒いでいたので娘・R(4才)と息子・タク(2才)も見たがる。Rは

「あ、マユちゃんのパパ」

ちょいワルパパと僕を見比べながら

「ねえ、パパは何才?」

唐突に聞いてきた。子供としてはやはりイケメンで若い父親の方がいいのだろうか。

「あのね、パパは19才なん…」

「違うよパパはさんじゅう(ピー)才だよ」

大サバ読みの年齢を言おうとしたらすさかず嫁に横槍を入れられた。

「え、どっち?」

Rが困惑する。

「僕は19才なん…」

「違うよパパはさんじゅう(ピー)才なのです!」

どうして嫁はこうムキになって真実を伝えたがるのだろうか。授業の後のクラス会に

「せんせー、かじりんくんがユキちゃんのスカートめくってましたー」

とかすぐチクる嫌な女子みたいである。もちっと空気読め。知らぬがブッダという言葉もあるではないかと憤った僕は

「じゃあ嫁、お前は何才なんだ言ってみろ!」

自分の年齢も申告しろと迫ってみたところ

「私は12才」

おのれぬけしゃあしゃあと…12才なのは乳だけである。

「ママは12才だよォ」

ほら、タクも間違って覚えてしまったではないか。

話を戻すと、Rは僕よりマユちゃんパパに憧れているのではないかという疑問である。最早ストレートに聞くしかあるまい。

「R、マユちゃんパパの方がカッコいいと思うの?パパとマユちゃんパパ、どっちが好きなの?」

「じゃあパパ」

「『じゃあ』ってなんだあああああ!」

4才児に情けを掛けられるとは。失意のズンドコに落ちた僕。さらに嫁が

「あなた今着てるコートボロボロじゃないの。だからみすぼらしいのよ。今バーゲンやってるから新しいの買って来なさい」

と追い討ちをかけた。僕は服と女房は着倒しヤリ倒す主義であり、気に入ったコートを何年も愛着しているつもりだったのだが、嫁から見ると単にボロを着倒しているだけに映っていたようだ。新しい嫁のバーゲンはないのだろうか。

「えーでもこないだ携帯壊れて買い換えちゃったからお金ないよう」

と言ったらお金入り封筒をぺしっと叩き付けられた。いい嫁なんだか悪い嫁なんだか。

「で、ではバーゲンにておしゃれコート買ってくるから…」

「はい」

嫁はバーゲンよりコラーゲンを摂ったほうがいいと思うんだ。

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