嫁が精液…じゃなかった、青汁を飲んだような情けないくらい渋い
顔で昼間の出来事を話した。
「R(2才の娘)がタク(2ヶ月の息子)にイタズラしてね…」
すわ。抵抗できる術もない赤ちゃんであるタクにイタズラ?一体
何をしたというのか?。まさか、ちんちん剥いちゃったとか。
僕は大層驚いたが、嫁が言うには
「私がテレビ見てたら急にタクが泣き出したのよ。なんだろ?って
思って振り向いたら、Rが歯ブラシでタクの歯を磨いてたの!」
「タク、歯なんてないじゃん!」
「歯ブラシ突っ込んで『ごしごし〜ごしごし〜』って言いながら
やってんのよ!もうびっくりして『やめなさい!』って思わず
怒鳴っちゃってさあ」
とのことだった。Rは自身が僕や嫁にされていることを真似てタクや
ピカチュウのぬいぐるみに対してすることが好きだ。例えばピカチュウ
にオムツをはかせようとしたり、タクに「ねんねーねんねー」と子守
歌を歌ったり。この歯磨きもその一環なのだろう。
罪のないイタズラではあるが、タクにとっては姉の突拍子もない
突撃でさぞや辛かったろう。
「ふーん。姉による歯磨き騒動か…。これぞ我が家の姉歯事件。
なんつって」
「あら、うまいわねそれ」
であるからして翌朝、Rを証人喚問してみた。
「Rちゃん、タクに歯磨きしちゃったの?ごしごしって」
「ごしごし!あっくん(タクのこと)、ごしごし!」
「タクはまだ歯が生えてないからやらなくていいんだよ…」
歯茎が傷ついたら可哀想なのでそっとRに注意したのだが、Rは
僕の胸元に付いていた髪の毛に何故か注目し、それを手に取り
「けー」
と言うのみであった。
か、勘違いしないでよね!パパは頭髪偽装してないんだから!