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■しかるべき叱り方。
2005年11月25日(金)
何日か前の日記で、娘・R(2才)を叱る際に手を上げるかどうか
迷った挙句、が結局頭に手を置くことしか出来なかった、という
話を書いた。

それから数日後また同じ事が起こった。Rは自分で遊んだおもちゃを
全く片付けようとしなかったので

「R、ないないしなさい!」

と命じた。しかし何度言ってもどこ吹く風でオチャラけて踊り、
言う事を聞かない。僕は完全に舐められてしまっているようだ。
親ではなく単なる遊び相手として見られている気がしてならない。
ここで父としての威厳を発揮しないと子供のしつけなぞできぬ。
父は偉いのだ。父はエロいのだ。父は父であって乳でない。

デラべっぴんを目の前にした男子中学生の股間の如く、父親
としてのプライドがもりもりと頭をもたげ、

「R、片付けなさい!」

とうとうRの頭をぺしっ、と叩いてしまった。ああ、ついに本格的
に手を上げてしまった…。これが効いたのかどうか分からないが、
Rは素直におもちゃをモソモソと箱の中にしまい始めた。

僕は悩んだ。父の威厳なんてものは、普段の僕の行いから生まれる
ものではないのか。日頃ダメダメな父親っぷりであるからRに舐め
られるのであり、第一僕自身片付けをしないで嫁に怒られている
ではなか。

単に圧倒的な力の差と痛みを以って言うことを聞かせる、という
のは間違っている…。Rを叩いたことを後悔した。Rから尊敬されて、

「そんなパパの言うことだから言うこと聞かなくちゃ」

と思われるような父親にならなくてはならない。尤も、ダメダメな
人間である僕なので、せめてRの前だけでもピシッとした行いをする
父を演じなければならない…。

とは言うものの果たして普段から演じることが出来るのだろうか。
普段ダメ男が付け焼刃で出来るはずもなく。それに家は最もくつろぐ
空間であり、地の自分が出てしまうではないか。

…いえ、やってみるわ。私は千の仮面を持つ少女。きっと演じ切って
みせる。Rのために立派な父親を演じるわ。月影先生、見てて下さい。
亜弓さんだけには負けたくない。マヤ、なんて子…。私は女優私は女優…。

そう自分に暗示をかけて新たな決意を誓ったころ、Rはようやく全ての
おもちゃの片づけを終えた。

「よし、Rちゃんいい子だね。パパがちゅーしてあげよう」

Rの口元に唇をむにょうん、と突き出したところ、

「めっ!」

頬を思いっきりビンタされた。ヒイイ!Rの復讐!理不尽な暴力は
こうして自分の身に戻ってくるものであるよなあと思った。

ていうか顔をぶたないで!私女優なんだから。

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今日もアリガトウゴザイマシタ。

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