夜、娘・R(2才)を寝かしつけようとすると、
「パパ、ねんね!ねんね!」
必ず僕にも「寝ろ」と言ってくる。仕方がないので横になると
「とん!とん!(布団)」
ちゃんとかけ布団をして寝ろ、と仕切る恐るべきR。
「それじゃあR、おやすみのチュー」
と寝る前にちょっかい出そうとしても
「め!ねんね!ねんね!」
結婚するまでは操を守るのよ、とばかりに鉄の処女の如く僕を
拒否する。そのくせ
「私にはチューしてくれるのよ、はい、チュー」
嫁とはベタベタチューチュー体を絡めて遊んでいる。つまらないから
ネットでもやるべか、とムックリ起きて隣の部屋に行こうとしても
「め!ねんね!ねんね!」
やはりRに咎められた。要するにRは、僕にココに寝てろと言いたいわけ。
私に抱きつくな。チューするな。ネットするな。隣の部屋に行くな。
ただ寝てろ。ここにいるだけでいい。しかし何もするな、と。
「僕はまるでカーネルサンダースの人形みたいではないか」
必ずケンタッキーになければならないものであるが、そこにいるだけ
で他の役割は何もない存在。今、寝室における僕の立場はまさにそれだ。
「そうみたいね、フフフ」
楽しそうにRと抱き合ったりチューしたりしてじゃれあっている嫁を
見て僕はもうフテ寝するしかあるまいと大いに腐った。
もう寝るサンダース。
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