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■湘南顰蹙ライン。
2005年05月05日(木)
鎌倉からの帰りの電車の中で、僕は眠かった。
横須賀線経由の湘南新宿ライン。

うとうとと瞼が重くなって池袋までオヤスミナサーイ、
といきたいところであったが

「ちゃーちゃーん!」

娘・R(1才)が急に叫び声を上げた。目を開けるとRが
ニヤニヤしてこちらを見ている。ちゃーちゃーん=父ちゃん
であろうか?

「なんですかあ?Rちゃん」

とだけ答えてまた目を瞑ると

「ちゃーちゃーん!」

Rのハッキリした意思が伝わってきた。Rは僕が眠るのを許さない。
自分が寝る時はいの一番に眠るくせになんという身勝手な娘。
しかし若い娘に

「寝かせないわよフフフ」

とたしなめられるのはまんざら悪い気がせぬ。それにしても
僕のことを「ちゃーちゃーん」と呼ぶとは。そんな風には
教えていない。本当は「お父さん」と呼んで欲しいのだが
一向に覚えてくれないのでとりあえず「パパ」と呼ぶように
日々仕込んでいるのだ。しかしこれもうまく覚えてくれず…。

「Rちゃん。僕のことはパパって言ってみようよ」

僕が寝る意志を放棄したのを嬉しく思ったのか、Rはニヤリと
微笑んだ。そして…

「まま!」

ごーん。いや、ままじゃなくてね…。

「パパ!パパなの!お父さん!ちゃーちゃーんでもいいよもう!
 この父を認知してくれ!」

「まま!まま!まま!」

明らかに僕の言うことに逆らうことを楽しんでいるR。ムキー!
すると向かい側に座っていた、同じく鎌倉から乗ってきた上品そうな
ご婦人たちが

「あんなころもあったわねえ…フフフ」

僕らを笑いながら見ておった。ヒイイ恥ずかしい!よそさまで
恥をかかせるんじゃないよ!

「あっ!戸塚だ!」

と、それまで平静を装っていた嫁が声を上げた。

「Rちゃん。お父さんとお母さんはここで知り合ったのよ〜」

僕と嫁は戸塚という横浜の田舎で知り合い今に至る。
駅のところで当時の彼女、今の嫁と別れを惜しんで
いつまでもウダウダベタベタしていたことも今は昔。

「そんなころもあったなあ…トホホ」

この電車を使って大学にいっていたあのころ、まさか
約10年後の僕がこうしてまだ嫁と一緒に、しかも子連れで
同じ電車に乗っているとは思ってもみなかった。

過去の自分が歩んでいた人生の轍を、もう一度辿って
歩んでいるような気分になるこの横須賀線。

嫁とあの戸塚の街で知り合ったがゆえに今の僕があり
嫁がありRがある。これが因果である。

因果鉄道999である。

「パパと呼んでくれー!」

「まま!まま!まま!」

轍馬鹿よねー。お馬鹿さんよねー。

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今日もアリガトウゴザイマシタ。

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