つまらないので普段はテレビを見ない。
しかし娘・R(1才)が夕食時にグズっていたので、気を
紛らわそうとテレビを点けたのだがやはり面白くなく、
ケーブルテレビに切り替えてみることにした。すると
映っていたものは
「ドリフの大爆笑'86」
懐かしい!これは見るしかあるまい。約20年前の番組である。
これを見ながら飯を食っていると、少年時代の頃の夕餉に
タイムスリップしたかのような錯覚を覚えた。
カトちゃんが「えっきし!」とくしゃみをするとセットが
崩れ落ちたり、いかりや長介の「だめだこりゃ」等の往年の
ギャグが炸裂する。今のお笑いってこれを超えられないから
悉くつまらないんだなあとしみじみ眺めていた。
コントの合間には石川秀美、松本伊代、長山洋子、堀ちえみ等の
古の忘れ去られたアイドル達が歌い、
「ギャハハハ!こんな間抜けな歌知らないー!しかもヘター!」
嫁と笑い転げていたのであった。
きっと昭和50年代中盤以降の生まれの人達にはさっぱり訳が
分からないことだろう。21世紀の平成2ケタ生まれのRには
尚更である。しかしRは
「ぽかーん」
と口と目を大きく開いて釘付けになっていたのであった。
生まれて初めての80年代テイストはどう映ったであろうか。
ほのぼのとノスタルジアに浸っていたのも束の間、画面が
ドンと変わり、映し出されたのはいかりや長介が女装して
芸者になった見るもおぞましい姿。更には着物の裾をビラビラ
開き、スネ毛を惜しむことなくドアップで映し、
「お食事中の方すみませんねえ」
とニヤニヤ笑っておるではないか。

※吉田さん:
「吉田が巨大な物を作ってますよ」に描いて頂きました。
(下のフォントは僕が加工)
20年前に仕掛けたいかりやの罠が、時を超え21世紀の今まさに
食事中の我々に襲い掛かろうとは。
何と言ってよいか、例えると、夜空の星の光は実は過去のもので、
何十年何百年もかかって届いた姿を僕らは見ているんだよ…
というような雄大でロマンティックな気持ちになった…わけない。
そんなわけでエンディングである。
ババンババンバンバン。宿題やれよ!
ババンババンバンバン。風呂入れよ!
ババンババンバンバン。子供寝てからにしろよ!
「なあ嫁、身重のお前にやらせてくれとは言わぬ。せめて今宵は
手でいかせて候…」
「ダメ!」
また来週ー!
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