娘・R(1才)が喋れる言葉は「わんわん」(動物全てこう呼ぶ)、
「ママ」(僕も嫁も)、「いち、じゅう」(1,10)、
「バイバイ」ぐらいである。
まだ少ない。ウチにある、喋るおじゃる丸のおもちゃの方が
ボキャブラリーが豊富である。
しかし徐々に増えつつある。絵本を見せながら
「これは鳥さんだよ。ちゅんちゅん」
などと教えていたら口を尖らせて
「ちゅ、ちゅ」
と言うようになった。新しい単語がひとつ増えた模様。
僕も口をタコのようにして
「そう、ちゅんちゅん」
「ちゅ、ちゅ」
「ちゅんちゅん」
「ちゅ、ちゅ」
徐々にRの尖った唇が僕の突き出た唇に近付いてきて
「ぶちゅうー」
キャー!Rと熱い接吻を交わしてしまった。
僕はいつもRにキスをしようとするのだが、普段はいつも
「イヤイヤ」と拒まれるのである。貞操を守っているのか
それとも単に僕が「おとうちゃんお口臭い!」と嫌われているのか。
しかしこれで希望が見えた。この手があった。
これからは狂ったアメリカ人新婚夫婦のように接吻の雨あられを
お見舞いすることとしよう。
と、意気込んで次の日
「Rちゃん、ちゅんちゅん」
再び朝のキッスゥをしようとしたのたが
「うぎゃー!」
いつものように断られてしまった。
鳥だけに3歩歩いたら忘れ去ってしまったか…。
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