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■「いつも庭にバナナの皮が捨てられる」と母が言った。
2003年07月21日(月)
「本日午後6時から!町内盆踊り大会を行います!
 皆様ふるって!ご参加ください!
 くりかえします!本日午後6時から!…」

「どわー!うるせー!」

朝、外からガンガンがなりたてるダミ声アナウンスで
眠りから叩き起こされた僕。町内会、張り切り過ぎだよ…

悪態をつきながら寝直そうかと思ったら「ぺぺぺぺ」と電話が。
今日はどうしても眠らせない神の意思が働いているのか、と
渋々受話器をあげると

「今池袋着いた!こっからどうやって行けばいいんだべ?」

ちはやぶる神ではなく、たらちねの母だった。
しまった。今日栃木の実家からウチに来るの忘れてた。
慌てて2人で迎えに行く。久し振りに会った母親は元気だった。
母は息子の顔を見るやいなや

「お母さんケータイ新しくしたんだよ。
 お前のメール番号(母のセリフそのまま)教えてよ〜」

そう自慢気に見せてきたケータイ画面には

氷川きよし。

これを見せたかったんだ。きっとそうだ。

「母さん!いい年していい加減やめろよ!」

「よかんべ!今度またコンサート行くんだ!」

きよし顔入りのストラップもじゃらじゃらと付いており
母のケータイ総重量は現役女子高生のよりも重くなっていた。
僕はゲンナリしながら自分のケータイに母の「メール番号」を入力する。

「ちょっと!誰だその女の子は!嫁さんじゃなかんべな!」

どわあ!今度は僕がケータイ画面を覗かれてしまった。
僕の待ち受け画像は近所の友達、愛して止まない美少女Rちゃん。
そのまま説明するといろいろ突っ込まれそうで面倒だ。

「アイドルの…えーと、少女隊の真ん中の子」

だからそう答えておいた。Rちゃん、ごめん。

母は、出産直前の嫁に気疲れさせては…と思っていたのか、
昼飯を食ってちょっと話しただけで

「もう帰るわ。浅草でも見ていくわ」

すぐ帰って行ってしまった。ちょっと寂しかったような。
母を見送った後、近所の公園から祭囃子が聞こえてきた。
朝のアナウンスでしつこく告知していた町内盆ダンスだ。

嫁が見に行きたい、と言うので連れて行った。
さっきまで流れていた東京音頭が終わり、次の曲が流れた。

ズン♪

ズンズン♪

ズンドコ♪

き・よ・し!

うわーん。また氷川だよー!

「お母さん、今日泊まって行けば良かったのに」

嫁が苦笑いした。

確かに、お揃いの浴衣を着て一糸乱れぬ踊りを披露している
町内会踊り子軍団(推定平均年齢58才)に混ざっても
全然違和感がないと思った。


夏なのに きよしこの夜 母帰る

詠み人:かじのもとひとまろ


アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。

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