渋谷に買い物に行こうと思った。
「えっ。渋谷?」
嫁は目をキラキラさせ頬をパアアと紅潮させた。
嫁が渋谷に興奮する理由…。それは、
渋谷には平成女学園…じゃなかった、
嫁の大好きなハーゲンダッツカフェがあるからだ。
しかし僕はあらかじめ釘を刺す。
「行っておくが、ハゲカフェ(略称)には行かないぞ」
「ええ?何で何で何で!行く行く行く!」
「ついこないだも行ったろうが!
大体お前はアイス食いすぎなんだよ!
特にハゲのアイスなんて脂肪の塊じゃねーか!
デブ禁止!ハゲも禁止だ!」
「お腹の中のRちゃん(胎児名)が食べたいって言うから
食べさせてあげたいの…」
「結局食うのはお前だろうがっ!」
嫁はしょぼーん、となったが妊婦に肥満は禁物。
ここは心を鬼にしなければならない。
「じゃあデパ地下でケーキ買おうよ。
私、こないだの誕生日にバースデーケーキ食べてないし…。
あと関係ないけど結婚式のケーキ入刀のとき、
アナタは酔っ払っていてケーキじゃなくて
私に斬りかかって来たよね…」
嫁はあくまでも甘いものに固執してきた。
しかも僕の痛いところを攻撃してきた。
仕事が忙しくてケーキ買えなかったんだよ…。
結婚式は隣の伯父さんが執拗に飲ませるから…。
承諾せざるを得なかった。
そんなわけで嫁は興奮のあまり瞳孔が開きっぱなしのまま
デパ地下ケーキ店に突入。
僕の分と嫁の分1つずつ、計2つ選ぼうとするのだが
どうしても惹かれるものが3つあって迷う。
「じゃあ3つ買っていくか」
僕がそう言うと、嫁は目をキラキラさせ頬をパアアと紅潮させた。
「Rちゃんの分よね!そうよ!
Rちゃんにも食べさせてあげなきゃ!」
「結局食うのはお前だろうがっ!」
「Rちゃん、食べ過ぎちゃだめよー」
「食いすぎるのはお前だー!」
また不毛な押し問答が始まってしまった。
食えないやつ…。
アリガトウゴザイマシタ。
今日もアリガトウゴザイマシタ。