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■怒涛の愛のお手振り大作戦。
2003年01月15日(水)
大学2年の春のある日、僕と木村は図書館から出て来た。

図書館で何をしていたかは忘れたが、
別に僕も木村も文学少年ではなかったし、

おそらくヒマだったから中で寝てたか
法医学のグロ事故死体本でも見ていたんだと思う。

「あれ、ミカちゃんじゃねーの?」

そう木村が指差す向こうには、どこかで見たことがある
女の子が歩いていた。

ああ、そうだ。ミカちゃんだ。
1ヶ月ほど前に、僕と木村が所属するサークルに入ってきた
1年生だ。

「ほんとだ」

「だろ?」

「声掛けてみるか。おーい、ミカちゃーん」

僕の声に気付いたミカちゃんは
にっ、と笑い、もの凄い勢いで手をぶんぶん振ってきた。

まるで
イカれた車のワイパのように。

ミカちゃんはそのまま、にっ、と笑いながら
手をがっこんがっこん大振りしつつ
教室棟に消えていった。

「…なんだありゃ」

木村が目を丸くした。

「…ものすごいリアクションだな」

僕もうなずいた。一方、木村は真顔に戻って
こんなことを言った。

「ミカちゃんはな、お前のことが好きなんじゃないのか、きっと」

「はは、まさか」

僕は笑い返した。

?年後。

ミカちゃんはその後、毎朝2階のベランダから
僕が会社に行くのを手を振って見送っている。

その、まさかだった。僕は

イカれたワイパを
イカしたワイフにしてしまったのであった。

いや、別にイカしてはないか。
イかせてはいるけど。

「第一印象は最悪だった」

↑嫁の後述。
今日もアリガトウゴザイマシタ。

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