■自転車と酔っ払いとゲロ。
2001年06月02日(土)
駅前は放置自転車で溢れている。
そして夜になると酔っ払いが増える
ダウナー系の酔っ払いはゲロを吐きながら道端に転がり、
アッパー系の酔っ払いはケンカを売り出し怒号が駅前にこだまする。
そんな様を目の前にしながら道端に車座になり
だらだらと過ごすのは僕らゲーセン仲間達。
その日もいつものようにみんなと話していた。
僕はコンビニにちょっと飲み物に買いに行って、
戻って来るとみんなが騒いでいる。
「どうしたん?」
「酔っ払いが停めてあるチャリをぶん投げ始めたんですよ。
それを俺が止めようとしたら絡んできて…」
大学生の田辺(仮名)が興奮している。
田辺とその酔っ払いが危うくケンカになりそうなところを
みんなが止めたらしい。
「ちくしょう、一発ぐらい殴りたかった。すげえムカツクよ」
「ま〜、酔っぱ相手に熱くなってもしょうがないじゃん」
「あそこに転がってるチャリがそうですよ…」
田辺が指差したチャリはどことなく見覚えがある。
…ていうか、
「僕のじゃん。」
「まじっすか?アッハッハッハ!!」
「田辺〜!!何で殴らなかったんだよオオ!!このヘナチョコ!!」
うげえええええええええ!!!!
僕らのすぐ側でまた別の酔っ払いが吐きだした。
「うわあああ、くさいっ!」
慌てて場を移し距離を置くす僕ら。会話も途絶えた。
…。
「あ、田辺、チャリちょっと貸してくれない?」
ゲーセン店員南君(仮名)が思いついたように言い出した。
「いいですけど、どこ行くんすか?」
「へへへ、ちょっとね」
ちょっとイヤラシく笑いつつ、
南君は倒された僕の自転車のすぐそばにあった
田辺のチャリにまたがり、走り出した。
目指すところは
「ま、まさか…」
田辺は気付いたようである。
「や、やめてえええええ!!」
田辺の悲鳴に似た叫びも空しく、
南君は先程出来たばっかりの、こんみりとした吐瀉物に
思いっきり突っ込んでいった。
ゲロに見事な轍ができた。
「アッハッハッハ!」
南君の悪戯っぽい笑い声が響き渡った。
道ゲロと自転車放置はやめましょう。
今日もアリガトウゴザイマシタ。
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