人生事件  −日々是ストレス:とりとめのない話  【文体が定まっていないのはご愛嬌ということで】

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2004年07月09日(金) わたしたちは恵まれている

だんだん、悲しくなってきた。

他人を、親という他人も、兄弟という他人も、親類という他人も、近所の人という他人も、役所の人という他人も、元夫という他人でさえも、信用できなくて、相手によって言い分を少しずつ変えながら自分に都合のいいことしか言えない。都合のいいことの中に本音を含められず、どうにかしてよ助けてよと言いながらあれも駄目これも駄目と、相談場所を一箇所に落ち着けずに周囲を振り回す。自業自得といえば自業自得なのだけれど。

振り回されたひとりとして、腹が立ったのは一瞬、その後疲労感に襲われ、そして、悲しくなってきた。そんな風にしか立ち回れなくなった、その置かれた状況に、その思考に。同じ女として、母になるかもしれない女として。いつもと同じ感情の変化だ。こういうケースに出会うたび、私は落ち込む。この仕事に就いて2年と少し、遭遇したのは一件や二件ではなく。近くのシェルターにも母子寮にも空きのない時期というのは、少なくなくて。

切ない。苦しい。

炎天下の太陽の下、住むことのできる家がなくて、途方に暮れている母児がいる。


佐々木奎佐 |手紙はこちら ||日常茶話 2023/1/2




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