一度だけの人生に
ひろ



 家庭

父・・・。
父が死んだら、僕は
どんな風になってしまうのだろうか・・・。
腑抜けのようになってしまうのだろうか。
あるいは、急に強気になって、
自信に満ちて歩き出すのだろうか。
あるいは、もっとだらしなくなって、
飲んだくれに
なってしまうのだろうか。
とにかく、変わってしまうような気がする。

父の何が、怖いのか・・・
腕力?まさか・・・いや、
そう言われるとそうのような気もする。
しかし、僕だって、
お世辞にも頑強とは言え無いけれども、
22歳の男である。ただ、単に
腕力ならば、こんなに怖れるわけがない。


「育てられた畏れ」
なんて風に言うと、気取っているみたい
だけれど、そんなものもあるかもしれない。


「親に殴られたことがない」
そんな話を友人から聞くことが
時々、あるけれども、
初めて聞いたときは、本当に驚きました。
僕は少なくとも小学校低学年くらいまでは、
ほぼ毎日殴られていました。
親自身が、
「あの頃は日課のように殴られていたなぁ?」
と平気で言うくらいなので、
あながち「毎日」と言うのは
誇張ではないようです。
押入に閉じ込められたり、
夜中に外に放り出されたり、
顔が腫れ上がるまで殴られたり、
自分だけ食事抜きにさせられて、
みんなが食事しているのを黙って、
見せられたり、浴槽に頭から浸けられたり
っと挙げればきりがありません。
自分はそうであるのに
周りは「親に殴られたこともない」・・・。
そう言う話を聞くたびに、
ああ、あれは虐待と言うものなのだな
っと確信させられます。

理屈で、何でも
虐待とかイジメのせいにするのは
自分でもいけないことだと
わかっているのですが、
「関係ない」と言うのは
違うような気もします。


僕は肉親に、きっと本当に意味で
親しんでいない。なるべくなら
両親と接したくないし、話もしたくない。
両親の愛情を信じ切れていない。
行儀の躾が過ぎて、他人行儀になった
と言うような、しゃれにもならないですが、
全くその通りに思います。
いわんや、他人の愛情は・・・

人を愛することは
親が子供に教えることなのかもしれない・・・。



2002年12月08日(日)
初日 最新 目次 MAIL