Sports Enthusiast_1

2008年05月10日(土) あれはPKではない。

J1第12節、首位浦和をホームに迎えた3位川崎の一戦は見ごたえがあった一方、主審の気のきかないPKの判定で興が冷めた。

詳しい試合展開は省略する。この試合の「良さ」は、両チームの守りあい、互いに相手の攻撃を封じようとする厳しさにあった。雨天の激戦。こういう試合が見たかった。これぞサッカーの醍醐味、筆者の趣味に合っている。

川崎は、持ち前の高さとホームならではの強いプレスで浦和の高原、エジミウソン、闘莉王らの攻撃陣をほぼ完璧に封じた。一方の浦和では、阿部の鋭い読みが光った。阿部が何度も危機を救った。

さて、問題のシーン。後半(62分)、攻めあがった浦和・闘莉王が意表をついたヒールパス、それに反応した高原がペナルティーエリア内に走りこんだ。マークに付いた川崎のDF井川がスライディングでボールをタッチラインの外に蹴りだした。ボールに行った後、勢いあまった井川の足が上がり、高原の足に接触し高原は転んだ。当然、コーナーキックと思いきや、主審が笛を吹いてPKマークを指差している。

川崎ホーム、雨中の熱戦、互いがしのぎを削る厳しい守りあい、両軍サポーター、それ以外のサッカーファンも満足の試合内容・・・なんで?

浦和がビッグクラブ、高原がドイツ帰りの前海外組で代表、一方の井川は、浦和ほどでないクラブの川崎の無名の選手(昨シーズンまでは箕輪の控え)・・・そんな先入観からか。この判定を境に筆者は、試合に対する興味を失っていった。川崎の反撃を期待する気も起きない。サッカーに限らず、スポーツには噛み合った試合というものがシーズンに何試合かある。2〜3試合、多くても5試合を超えない。PKの判定がなければ、この試合がその1つになった可能性もあった。但し、浦和の闘莉王が故障をおしての出場らしく、接触プレーの度ごとにピッチに倒れこむシーンがあったので、リズムは悪かったが。

主審の笛は絶対という。でも、こういう笛のことを、「空気を読めない」というのかもしれない。

浦和は主審のアシストで勝ってしまったけれど、内容については、筆者はまだ不満に思っている。PKをもらった高原だが、まるで弱い。J1の競り合いで簡単に倒れてしまう。ドイツの厳しさに鍛えられて帰ってきたと思っていたが、体調がまだ万全でないようだ。さらに、エジミウソンとのコンビネーションもまったく進歩がない。FW二人にコミュニケーションができていない。フィーリングの問題なのか戦術の理解不足なのか外部者にはわからないが。


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tram