試合後、ボスニアヘルツェゴビナ代表監督が認めたように、チームのコンディションは外部の者の想像を超えた悪さだったようだ。勝って当たり前の相手。
親善試合――日・ボ両国の親善を深めるという、国際社会の一員としての役割を果たした試合だった。何度も繰り消すように、こういう親善試合を大々的に宣伝するTV局、サッカー協会の詐欺商法にあきれる。不当表示なのだ。詐欺商法を撲滅するには、サポーターがチケットを買わないことだ。試合3日前に到着し、しかも、自国でまともな調整をしてこない「代表」を代表と認めず、スタジアムを空席にして、抗議してほしい。サッカー協会とテレビ局の仕組んだ「親善試合」は、亀田ファミリーがマッチメークして呼んできた、ランキングを偽った外国人ボクサーと変わらない。偽装なのだ。
さて、日本のスポーツマスコミも相手の状態の悪さを否定しようもなく、岡田ジャパンの課題について、厳しい評価をくだしたところもあったが、「圧勝」を賛美する報道も散見した。ぬるま湯報道、提灯報道を中止することが、日本サッカー強化の一つの方策だ。
チリ代表は韓国に勝ったらしい。試合を見ていないのでなんともいえないが、若手といえども、南米でもまれた選手たち、アウエーで韓国に勝ったということは、地力がある証拠だ。W杯ベスト4の実績をもつ韓国だが、アジアのレベルは世界からみれば・・・というところ。チリ相手に韓国が負け日本が引分けたのだから、日本のほうが韓国より強い、と単純に割り切ることはもちろん、できない。
はるばる遠征して、真剣なファイトをした「チリ代表」に学ぶべき点は、スター選手がいなくても、きっちり体調を整え、終始強いプレスをかけられる規律あるサッカーをすれば、どんな相手にでも、必ず勝機があるということだ。日本選手は謙虚に、そして、きっちり練習して、90分間走れる体力をつけてほしい。
タイ戦にむけた代表選手が発表になったが、レフティーが一人もいないことは問題だと思う。フリーキックの選択肢が一つ少なくなるし、左SBからの素早いセンタリング、クロスボールが上がらない。日本を代表するレフティーはタイ戦に呼ばれなかった中村俊輔だが、彼はサイドの選手ではない。SBタイプのレフティー不在は、オシム時代からのもの。岡田はどう考えているのだろうか。
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