当コラムで書いたとおり、いまのオーストラリアのサッカーには、見るべきものがなにもない。そんなチームに日本は負けなくてよかった。
日本は反省すべき点が多い。退場で1人少なくなった相手に対して、パスまわしからの崩しが成功しなかった。そういう状況ならば、相手の裏をとれるFW・佐藤の投入は、もう少し早くてもよかった。この試合に限らず、アジア杯を通じて、オシム采配に切れ味がない。相手が1人少ないゲームなのだから、カウンター警戒よりも、勝ち切る意欲がほしい。
PK戦で勝てたのは、運がよかったからにすぎない。移動でコンディションの整わない相手、ドイツ大会から進歩のない相手、主力が故障の相手、しかも、構築力、組織的のない相手、パワーにまかせた個人頼みの攻撃しかない相手――なのだから、日本は負けてはいけない。こんな相手に延長戦でも勝てず、PK戦の辛勝では、世界はあまりにも遠い。日本の実力は、やはり、ランキング50位程度だろう。ここから、残り3年弱でどこまでレベルアップできるのだろうか。
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