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2007年07月01日(日) アジア杯は試みの場

アジア杯の代表メンバーが決定した。メンバーは23人。W杯と同数だ。ドイツ大会の前にも書いたけれど、代表23人のうち、GKが3人だから、フィールドプレイヤーは20人だ。各ポジション2人を選出するというのがセオリーなので、仮に3−5−2のシステムならば、DF6人、MF10人、FW4人となるのが一般的だ。4−4−2ならば、DF8人、MF8人、FW4人となる。

さて、今回の代表メンバーを見てみよう。
▽GK:川口能活(磐田)楢崎正剛(名古屋)川島永嗣(川崎)=3人
▽DF:中沢佑二(横浜M)坪井慶介(浦和)加地亮(G大阪)駒野友一(広島)=4人
▽MF:中村俊輔(セルティック)橋本英郎、遠藤保仁(以上G大阪)羽生直剛、山岸智、水野晃樹(以上千葉)中村憲剛(川崎)鈴木啓太、阿部勇樹(以上浦和)今野泰幸(FC東京)太田吉彰(磐田)=11人
▽FW:高原直泰(フランクフルト)播戸竜二(G大阪)巻誠一郎(千葉)佐藤寿人(広島)矢野貴章(新潟)=5人

GKの3人はセオリーどおりだが、DFの4人は2バックということか。その代わりMFが11人と膨らんでいて、そのうちCBができるのが阿部勇樹、今野泰幸、橋本英郎。

4−4−2を組む場合、CBの中澤佑二、坪井慶介のどちらかが怪我をしたら、MF登録の阿部勇樹、今野泰幸、橋本英郎のだれかがCBにまわることになる。同様にSBは加地亮、駒野友一の右SBだけなので、左SBとしては、山岸智、今野泰幸、阿部勇樹のだれかが先発することになる。

ボランチは遠藤保仁、鈴木啓太、阿部勇樹、中村憲剛、今野泰幸ができる。二列目は、中村俊輔、中村憲剛、羽生直剛、水野晃樹、太田吉彰、遠藤保仁・・・のうちの選択だ。

FWは2トップなので、高原直泰、巻誠一郎・・・の先発となる。

この代表チームの最大の特徴は、俊輔以外レフティーがいないことだ。左サイド(SBもしくはSH)ならば、スピードのあるレフティーからクロスボールというのが常識だが、左利きの本多、家永が落選した。

左サイドのレフティーを落として、オシム監督は何を狙ったのか。今度のアジア杯の開催地はベトナムなど東南アジア4カ国共催だ。7月といえば、この時期、雨季だ。高温多湿、サッカーをやるコンディションは相当悪い。そこから推察するに、代表の選出基準はスタミナ、運動量だろう。この季節のアジア杯を制する第一条件は、テクニックではない。勝てる条件は運動量、消耗戦に勝てる体力だ。この条件を満たす者が選ばれたとみるのが自然だろう。

結果はどう転ぶかわからない。わからないが、アジア杯の環境を考えるならば、選考のコンセプトは正しい。

もう一つの特徴は、ポリバレントという概念だ。ポリバレントとは一昔前ならば、ユーティリティーという表現だった。これも結果はわからないが、新しい試みだ。スペシャリストを切って、ゼネラリストを選ぶことが吉とでるか。アジア杯は最終ゴールではない。

以前にも書いたけれど、アジア杯に負けた韓国の方がW杯において、アジア杯を制した日本よりいいサッカーをした。アジア杯はどうでもいいということではない。W杯にいい結果を残すために、アジア杯を最良の準備の場として活用してほしい。


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