| 2006年08月17日(木) |
オシムジャパンに公式戦の試練 |
簡単には勝てない。それが世界のサッカーだ。16日、日本はイエメンとアジア杯予選リーグでイエメンと新潟で戦い、2−0で勝った。 イエメンは最初から引分狙い。5バックと2ボランチの7人で固いブロックを形成して、自陣のスペースを消してきた。攻撃は3人だが、前線に残るのは1トップのFWのみ。 新生日本代表はまるで足に重りでもつけているかのように動きが鈍い。2トップの巻、田中への楔のボールは、相手が数人寄ってくるのでコントロールできず、基点になれない。サイドからのクロスには、イエメンDFが強いヘディングで跳ね返す。日本のパスは横、後で回るものの、相手を崩すに至らず攻撃的な形がつくれないまま、前半0−0で終了。ここまでは、ジーコジャパンと変わらない展開だ。 前半終了時点でトップ下の遠藤、左SBの駒野のコンディション不良が発覚し交代。遠藤は運動量が少なく、前に出る意欲が感じられないので、オシムサッカーから脱落する可能性が高い。遠藤の資質の問題なので、代表落ちは仕方がないかもしれない。代わった羽生が動き回ってスペースをつくり、全体が活性化してきた。得点はFKからだったけれど、引いた相手に対しても、運動量の重要性が認識できたことが成果。 さて、こういう試合を見せられた後、ドイツ大会のことをふと、思い出した。かりに、日本が予選リーグ第1戦の豪州に勝ち、2戦目のクロアチアに引分け、最終戦のブラジルに引分ければベスト16が可能だったとしたら、ジーコジャパンは、イエメンのような陣形を敷くのだろうか。将来、そういう局面が来たとき、オシムは引分け狙いを選択するのだろうか。守備的という形容を越えた陣形だが、反則でない以上、これも許されている。もちろん、引分け狙いで引分けられる可能性は高くないといわれるが、強豪相手に焦りを誘うという意味で有効な作戦だ。勝点1を巡る攻防として、日本がしてはいけない作戦ではない。サッカーは難しい。
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