職業婦人通信
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2007年07月03日(火) さようなら、お義父様

ミートホープ、という会社名を
ずっと「ミートポーク」だと思っていた。

豚肉を愛しすぎた故の過ちだと思います。

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義父が亡くなった。

家の中でも外でも偉い人で、
めちゃくちゃに頭が良い、いわゆるエリートで、
迷いのない独断専行の人、
それが義父であった。

ダンナ君の家は
義父の在生中、
完全に専制君主制のもとにあり、

義父はめったに笑わず、
家でもジャケットを着てしまうような、
そりゃもう、見るからに厳格な人であったため

初めて会った時には
手の中のティーカップが
カタカタとソーサーの上で音を鳴らすほどに緊張したのを
今でもよく覚えているわけであります。

でも、

2年前、結婚の挨拶に行った時に義父は
とっておきのワインを空けて
私のような馬の骨をヨメとして許してくれ、

ダンナ君の実家へ行くたびに
酒がまったく飲めない息子の代打として
美味いワインや日本酒を振舞ってくれたものである。

そして、
意外にもドラえもん好きだったりとか、
なぜか毎週「恋のから騒ぎ」だけはちゃんと見てたりとか、
いつしか、カワイイところもある義父と
普通に話せるようになってきた矢先に、
がん発覚。

独断専行の人は、
動揺を家族に見せることもなく、
誰に相談することもなく、在宅での死を選び

この半年、入院や手術の類をほぼ行わず家で過ごし、
最愛の家族に看取られて静かな最期を迎えたのであった。

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義父に初孫を抱かせることはできなかった。

それはとてもとても残念なことだったが

「子供ができたよ」と、ダンナ君が生前の義父に告げた時
初めて義父が見せた涙のことを
私は一生、忘れることはないだろう。



お義父様、
私、きっと元気な初孫を産んでみせますんで、
そっちで見ててください。

そして、だいぶ先になるかもしれないけど、そっちに行ったら、
また、美味しいワインをご相伴させてください。楽しみにしています!


千代子 |MAIL
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