職業婦人通信
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2004年01月09日(金) 湯けむりバースデー その2

渋温泉にやってきた私と相方。
なかなか風情のある古式な旅館に荷物を置き、
早速旅館のお風呂にGO!・・・と思ったのだが・・・

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相方「どこ行くんだよ」
千代「どこって・・・風呂に決まってんじゃん」
相方「風呂はそっちじゃないよ、こっち」
千代「こっちって・・・旅館の外に出ちゃうじゃん、寒いよう」
相方「渋温泉は外湯めぐりが基本なんだよ、こっちこっち」

外は凍えんばかりに激しく寒い。浴衣1枚の下駄ばきで震えながら
カラコロと温泉街を歩いていくと、30メートルも行かないうちに

相方「おっ、ここここ」
千代「ハァ?」

見ればそこには公衆トイレ大の小屋が立っており
『一番湯』と書いてあった。

聞けば、渋温泉には9つのこうした公衆浴場風の外湯があり、

一番湯「初湯」・・・・・胃腸
二番湯「笹の湯」・・・・湿疹、ほうそう
三番湯「綿の湯」・・・・切り傷、皮膚病
四番湯「竹の湯」・・・・痛風
五番湯「松の湯」・・・・神経痛、病気回復期
六番湯「目洗の湯」・・・目
七番湯「七操の湯」・・・外傷性の障害、病気の回復期
八番湯「神明滝の湯」・・婦人病、子宝
九番湯「渋大湯」・・・・万病

と、それぞれに効能が違うのだという。最後の湯なんか全部に効いちゃうのだ。
大したもんである。

旅館で借りられるカギでしか開かないこの9つの湯を
めぐるのが渋温泉の基本的な過ごし方なのだそうだ。
出掛けにフロントで相方が何やら受け取っていたのは
そのカギだったのか・・・。

相方「この手ぬぐいあげる」
千代「何コレ?」
相方「1つの湯に入るごとにこの手ぬぐいにスタンプ押すわけ」
千代「へー、面白いねぇ」
相方「スタンプ9個集めたらあそこの神社で最後のスタンプ押してお参りすると」
千代「お参りすると?」
相方「・・・なんか・・・いいことあんじゃねぇかな・・・」
千代「・・・ふーん・・・」

と、いうわけで相方がカギを開け、それぞれ男女別れて湯につかることに。

まぁ、予想していたような露天風呂のある小奇麗な温泉とは
ちょっと違ったけど、これはこれで面白そうじゃん、などと思いつつ
小屋の脱衣所でモソモソと服を脱ぎ、風呂の戸をカラカラと開けると
3人も入ればいっぱいになってしまいそうな風呂がそこに。
誰も入っていなかったので独占状態である。

当然シャワーなんてないから、「ケロヨン」と書いてある黄色い洗面器で
湯船から直接湯をすくい、ザーっと自分に浴びせ掛けたところで

千代「うぁぁアっちーーーーーっ!!!!」(←絶叫)

めちゃくちゃに湯が熱い。熱湯コマーシャル(古い)もかくや、という
強烈な熱さであった。一回浴びただけで身体がまっかっかになって
しまったではないか。

呆然と、赤くなったわが身を見下ろしていると、どこからともなく
相方の大爆笑が聞こえ、

相方「ごめん、言うの忘れてた、ここの湯、どこもすげーアチーからさ、水でうめてから入るようにって」
千代「言うのおせーよ!!!」

男風呂は壁を隔ててはいるものの、板一枚で仕切られているだけなので
私の絶叫は相方に筒抜けだったらしい。

水をダバダバと湯船に注ぎ込むこと3分。
やっと熱湯が少しうすまってきたので身をひたすも、
・・・やっぱり熱い・・・のであった。あっという間に汗が出てくる。

そして5分もしないうちにすっかりゆだってしまった私。
風呂からあがり、またモソモソと浴衣を身体に巻きつけるも、まだ身体が
まっかっかで汗が噴出している。

外に出ると相方が待っており、

相方「次行くぞ次」
千代「もう結構ゆだっちゃったんだけど・・・」
相方「何言ってんだよ、9個あるんだぞ?お前長くつかりすぎなんだよ」
千代「そうだね・・・ゴメン・・・つい・・・」

2番目の湯はお肌に効くという湯である。
先客がいた。
ここの温泉街の地元のおばあちゃんであるが
見れば肌がピチピチのつるっつるではないか。

(こ・・これはマジで効く湯なのかも・・・)

と、さっき相方に「あまり長時間入りすぎぬよう」と諭されたのも忘れ、
ばっちりと湯につかりまくり、顔も入念に洗いまくったところ、
フラフラになるぐらいに茹であがってしまった。

相方「さっ、次は3番だな」
千代「ちょ・・・ちょっと待って・・・少し身体冷ましてからじゃないと・・・」
相方「普段『温泉大好き』とか言ってるくせに。全然ダメじゃん」
千代「うん・・・ごめん・・・ダメぽ・・・」

こうして2人は浴衣を脱いでは熱湯を水で薄め、湯に漬かり、また浴衣を着る
という作業を繰り返しながら9つの湯をめぐり続けた・・・。
(さすがの相方も5番目か6番目でフラフラになっていた)

頭の血管がブチ切れて死ぬかと思ったけれど、
最後は意地になりながら無事9湯めぐり達成。何かいいことあるんだろうか。

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その後、旅館でご飯を食べ、カラカラになった喉にビールをがんがん流し込んだ
のであるが、湯上りの身体にアルコールは砂に染み込む水の如く吸収され、
ビール1本で真っ赤に仕上がってしまい、

千代「・・・もう・・寝る・・・」(夜9時)
相方「もう寝るのかよ?旅館の風呂もいいみたいだから行ってみようぜ」
千代「ごめん・・・10個も風呂には入れないよ・・・キミ一人で行ってきて」

こうして、私は意識を失ったまま、30歳の誕生日を迎えたのであった・・・。


<追記>
いや、でもたしかに湯質はすっごく良かったと思うんですよ。
その後お肌の調子も胃の調子もすこぶるよろしいし。
そもそも、一気に9個の湯を巡ろうなんて気を起こさずに、
何回かに分けてゆっくり漬かればこんなことにはならなかったはず。
温泉街もなかなか趣があって良いところでした。
「千と千尋の神隠し」みたいな温泉旅館があったりとか。
また行きたいです。


千代子 |MAIL
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