妄言読書日記
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2013年03月22日(金) 『特捜部Q 檻の中の女』(小)

【ユッシ・エーズラ・オールスン 訳:吉田奈保子 早川書房】

デンマーク発のミステリー小説。
特捜部Qシリーズは今のところ、3作目まで翻訳されていてこれは第一作目。

主人公はとある事件で同僚一人が殉職、一人が寝たきり状態となってしまった、カール・マーク警部補。
元々性格に難あり、だったのが、この事件をきっかけに一層扱いにくくなって新設されることになった、特捜部Qに異動に。
過去の未解決の重要事件を再調査する部署、まあ、日本だとケイゾクみたいな。
カールの扱いとしては特命係にも近い。
カールの相棒はシリア人のアサド。事務手伝いで警察官ではないらしい。
粗筋には大抵、アサドのことを変人と書かれているが、どっちかというとカールの方が変人っぽく見える。

手始めに調査を始めたのが5年前に発生した女性議員失踪事件。
海に転落死したと思われているし、カールたちも死んだものだと思って捜査しているのだが、実は5年間監禁されていることが、カールの視点と女性議員ミレーデの視点で書かれているので読者にはわかる。
なので、カールがずっとさしてやる気もなく、時折別れた妻に悪態ついたり、女性カウンセラーを口説いたり、上司ともめたりしているのを見ていると、早く見つけてやれ!とやきもきする。
小説の中盤とは言わないけど、三分の一くらいの時点で生存に気づいてくれればもうちょっと緊張感が出たんじゃないかなーという気がする。
それくらい、ミレーデの監禁状態が悲惨なので、カールよ、もっと真面目に捜査を!と思ってしまう。

こういったミステリーで、殺人事件ではなく、被害者がまだ生きているというのは珍しいなぁとは思う。
警察物としてはいまいち捜査のはかどりが遅いので、特捜部がもう少し定着してきたらもっとスムーズに捜査できるのか、それともコペンハーゲンっていうのはそういうものなのか、馴染みのない土地が舞台だと判断しにくい。
馴染みがないといえば、デンマークは同性婚OKなのか。全く本筋とは関係ないけど。

物珍しい印象はあるけど、既存のミステリーと比べてすごく新しい印象はないです。



蒼子 |MAILHomePage

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