妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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| 2009年02月17日(火) |
『テンペスト 上 若夏の巻』(小) |
【池上永一 角川書店】
琉球王朝を舞台にした王朝絵巻、ってことで大河的な重厚さに身構えて読み始めたら、これなんてネオロマ?というストーリーと軽い語り口調にやや肩透かし。 コーエーさんにゲーム化してもらったらいいんではないですか。 女であることを偽って宦官として試験を突破し宮廷の官吏になった寧温こと真鶴が主人公。 なんとなく『BASARA』(田村由美)を思い出しつつ、コバルト文庫で全10巻くらいで出てたほうがこんな仰々しいハードカバー上下巻にするよりしっくりしそう。
主人公の真鶴が美少女なのはまぁいいとして、脇に至ることごとくがきらきらしいキャラでもうわかったわかった、と言いたい。 しかも顔もいい、頭もいい、性格もいい、だが一様にみんな根性が足りない。 それは真鶴にも言えて、聞得大君に素性がばれて一度は死を選ぶまでは、うんうんと思って読んだけれど、雅博に助けられてからの逆転の速さは、そんなことができるなら死のうとする前にやっとけよ・・・というあっさりさ。 そしてすぐに兄貴を助けてやれよ。
変態宦官の登場後も、兄貴囚われてるのに一向に心配してないというか、知らないのか?の真鶴に疑問を持ったり、寧温が三日出勤してこなくてようやく動く朝薫にそれでいいのかと思ったり、細部がどうも大雑把に処理されているのが気にかかる。
寧温に惚れてる二人の男もいまいち役に立たないのが気にかかる。 寧温が女ではないということはもうどうでもいいのか?この二人は。 雅博は真鶴のことはもういいのか? そしてあっさりと徐の思惑通りに寧温に不信を抱く二人が本当にみみっちいな!と。 へたれだと思っていた兄が意外な根性を見せたのに反し、この二人が本当にいざとなると役に立たなくて苛立つ。
儀間親雲上は、試験を受けなおす根性があるのに、仕官後の活躍があまりになくて凄く残念。 勝手に、きっと真鶴のことを覚えていて寧温のよき相談相手になってくれるはず!と期待したんだけれど、登場人物紹介にすら載ってない。 儀間、多嘉良が好きだったので、阿片事件で昇格した時ようやく出番がまわってくるかと期待したんだけれど、どうにも活躍の場は与えられないようです。 キャラの見せ場をもっと作ってくれても・・・。
まあ確かに面白い。ジェットコースター王朝絵巻ではある。 でも、レールの枕木がぼこぼこ外れていては乗り心地が悪いんである。 そんな粗が瑣末に思えるような下巻を期待したい。
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