妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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| 2009年02月07日(土) |
『アラビアの夜の種族 I』(小) |
【古川日出男 角川文庫】
前々から古川日出男は読んでみたかったので、ようやく初読み。 初めて読むのはベルカなんではないかと思っていたのだけれど、古本屋にあったからこれに。
タイトルと表紙からなんだか色っぽい話しを想像しますが、非常に凝った構造の小説。 ナポレオン艦隊の迫るエジプトが舞台であり、ナポレオンを撃退するため作られる、読む者を破滅へと導く災いの書で語られるさらに過去の物語が、作中のもう一つの物語として、千夜一夜のように挿入される。 そしてさらには、この物語り全体が作者が翻訳した本という体裁を取る入れ子構造。 どの階層の物語りも、それぞれの語り口に魅了されて本当に夜が明けそう。 1巻目は一つ目の妖術師アーダムの物語が語られる。 おぞましいのに最後は滅びの美しさすら感じてしまう。 どんな話しがこの後語られ、書はどのように完成するのかとても気になる。
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