妄言読書日記
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2007年10月08日(月) 『ハゲタカ下』(小)

【真山仁 講談社文庫】

芝野パートの方が好きな私は、前半ちょっとだるかったです。
でもまあ、サドンデスの終盤は盛り上がってきてよかったのですが。
上巻を読んでのツールとしての小説という印象は結局覆らず、もっと小説としての技術とか工夫とかこだわりが見えると、ちっとは印象が違っただろうになぁ。
結局、鷲津という主人公には感情移入することもできず、むしろ、どっちかっていうと嫌いだったし。
ドラマ版で大好きだっただけに、自分でも意外でしたが。
いちいち行動がかっこつけてんじゃねーよ!と。
鷲津のせいというより、作者の安易なセンスが悪いような。
ミカドホテルのバーで、バーテンにピアノ弾いてあげるシーンとか、寒いよ!
ブラディドール読んで勉強してこいよ!!
強引なまでにかっこいいから!
笑いながら、しょうがない、かっこいいんだもん、と納得させる説得力と自信がないと、そういうベタなエピソードは寒いばかりです。

とまあ、急に鷲津パートになるとハードボイルドに憧れてるの?みたいなシーンが出てきて、冷めるんです。
芝野パートや貴子パートはわりと、おもしろく読めるのですが。

その芝野との因縁も、最後の最後で明かされるのですが、そんなの初っ端に薄々感ずいてるから、そんな最後まで引っ張らなくってもいいんじゃないか、と思いました。
途中で明かして、鷲津が親父の死をどう捉えて、どう葛藤してるのかをこてこて書いた方が面白いだろうに。だからツールの域を出ない。
そんなところで、そんなこと言われる芝野が気の毒になってしまいました。
しかもなんの救済もないまま終わるし…。IIでは、救済があるといいね、芝野。

貴子にしろリンにしろ、そんな男(鷲津)はやめておきなさい。きみたちにはもっといい男が絶対にいる、と思ってしまいました。
リンが男前でした。



蒼子 |MAILHomePage

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