妄言読書日記
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2006年10月08日(日) 『それゆけ、ジーヴス』(小)

【P・G・ウッドハウス 訳:森村たまき 国書刊行会】

ジーヴスシリーズ三冊目でございます。
当初、三冊で終了予定だったそうですが、公表につき引き続き刊行してくださるそうで(すでに5冊目まで出てるんですが)、つくづくと好きなものには投資せよと思います。
そりゃあ、私が一冊二冊買ったからって・・・と大抵の人は思うかもしれませんけれど、地道にみんなでがんばりましょうよ。
と誰にむけて言っているのかという感じになってきましたので、本編の感想へ。

一冊目と同じ短編集となっております。

「ジーヴス登場」
ジーヴスが初めてウースター家にやってきた模様が書かれております。
そして最初にしたことは、バーティ君の婚約を破棄させることだったと。
素敵なお話しですね。
バーティが原稿盗む羽目になってその後も、隠し場所についてあたふたする下りは相変わらず気の毒で可笑しい。

「コーキーの芸術家家業」
なかなかひねりのきいた話しでした。

「ジーヴスと招かれざる客」
ピンクのネクタイは可愛いと思うんだけれど。

「ジーヴスとケチンボ公爵」
今回は服装ではなくて、髭についてもめてました。
髭かー。顔がどんなのかわからないからなんともですが、バーティのキャラには確かに合わない。
それにしてもこの件に関して「執事ふぜいが僕の唇の上に請求権を行使しようというとき」云々で、別のことを思いましたが、いつものしょうもない妄想です。

「伯母さんとものぐさ詩人」
自分の家を追い出されちゃったバーティが、ホテルで一人―ジーヴスは置いてきたので―
「やっと生まれてはじめて僕は、世の中には面倒を見てくれる人物なしで何とかやっていかなければならない人たちが、ごまんといるにちがいないと気づいて茫然としたのだった。」
そう思うくだりがあるのですが、格差社会において中の下あたりに位置する私から見ると、このお坊ちゃんめ!と思わずにはいられません。
でもお坊ちゃんだからこそ憎めないのがバーティなんですけれど。

「旧友ビッフィーのおかしな事件」
珍しく、本当に珍しくバーティの服装についてもめていない二人。
毎回、バーティにもわけのわからぬままに事態が収束して、それを「一体どういうことなんだい?」とジーヴスに訊ねる、場面ががなんだか素直でかわいくて好きです。

「刑の代替はこれを認めない」
初っ端から被告人席なバーティ。
軽く裁判でちょっと変なところでときめきました。
バーティは猫とオノリア嬢的女性には無条件で愛されるらしいです。
やっぱり服装でもめていないレアな二人。

「フレディーの仲直り大作戦」
子どもは一切ダメなジーヴス。
でもなんやかやと解決するのですが。
それいしても、ウッドハウス氏が書くのは毎度毎度クソガキばかり。

「ビンゴ救援部隊」
比類なき〜以来のビンゴですが、やっぱり結婚しちゃったから大人しいです。
よしきた〜で中心となっていた、ダリア叔母さん一家も登場。
今までにないくらいに、儲けるジーヴスでした。
バーティも「大体どうして僕が君に金を渡すのか、僕にはわからないんだ」と言っているくらい。
本当に可愛いなぁ、バーティは!

「バーティ考えを改める」
非常に非常にレアな、ジーヴス視点の話でございます。
どれだけ若主人がこきおろされているかと冷や冷やしましたが、全くそんなことはなくて安心いたしました。
馬鹿にしてるんだと思ってたのですが、バーティの親戚やら友人一同にくらべればはるかに好意的です。
バーティが家庭を持ちたいな〜と思うのを、阻止する話なのですが、なんともこうやっていつも、立たなくていい窮地に立つ羽目になっているんだな、バーティというのがよくよくわかって愉快な一編。
ジーヴスが若主人に好意を持っていて本当によかった。これで心底馬鹿にされてたら可哀相過ぎる。



蒼子 |MAILHomePage

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