妄言読書日記
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2006年07月17日(月) 『ZOO』(小)

【乙一 講談社】

最近文庫化しましたが、こちらは単行本の方です。
久しぶりに乙一小説読みましたが、うわぁというか、いや〜な気分になりますね。
そういえば、こういった短編集は初めて読みます。
やっぱ、暗黒小説家だわー。

しかし、天才かどうかは未だにうーんと思います。
インドアな青年がお部屋の中にこもって書いた小説という印象。
別にそれが悪いというんじゃないですが。

「カザリとヨーコ」
これ映画化しませんでしたっけ。
いや、この本自体が映画化してたっけ。
まあ、どうでもいいですが。
ヨーコのようなとてつもなく、いやぁな感じのするキャラ書かせると上手いよねぇ。
読んでるほうはほんと嫌な気分になるだけど。

「血液を探せ!」
こういうブラックでライトな方が好きです。
でも、いささかライト過ぎる文章という気もしましたが。

「陽だまりの詩」
ちょっとここらでいい話しを入れとこか、という感じの切ない系です。
こういうのを書いてるのを見ると、そんなに悪い人でもないのかなぁと読者は勝手に思ってしまうものです。

「SO−far そ・ふぁー」
世にも奇妙な物語にありそうな話しです。
この短編集の中では好きなほうでした。

「冷たい森の白い家」
こういうどうしようもない話しを書かせると上手いよなぁ。
やりきれないを通り越してもうどうしようもない。

「Closet」
ちょっとミステリーのようでいてホラー映画みたいな不気味さがあり、好きです。

「神の言葉」
人を思い通りにできる能力があって、それでこういう展開を生み出す、というあたりが乙一のどうしようもなく根暗な部分と言う気がします。
まあ、作者の人柄なんてどうでもよいことではありますし、それが唯一無二の話しを生み出すんだからいいのですが。
私はわりとこういう身勝手な発想好きですが。

「ZOO」
内容云々というより、読んでいてちょっと今、巷をにぎわしている秋田の殺人事件の犯人のことを思い出しましたよ。

「SEVEN ROOMS」
先日『SAW2』を観たのですが、それを思い出しましたね。
ソウも動機なんていらないのに、と。
うんざりするほど残酷なのに、血もばらばらにされる人体も全くリアルではなく、何もかも平板なのがかえって嫌な感じを与える。

「落ちる飛行機の中で」
これくらいのテンポの話しが一番落ち着く。

全編これ乙一、という作品集でした。
悪意も死体も殺人もばらばらになる人体も腐る人体の一部も全て淡々としてる。



蒼子 |MAILHomePage

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