妄言読書日記
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2006年03月31日(金) 『陽気なギャングが地球を回す』(小)

【伊坂幸太郎 祥伝社文庫】

5月に映画公開するらしい、本作。
『オーデュポンの祈り』、『ラッシュ・ライフ』と、小説的なトリックが満載の話しだったので、映画化はどうかな、と思いつつ読んでみたのですが、過去二作とは違って、けっこう真っ当というか、普通のと言うとつまらないみたいな言い方ですが、とにかく、普通の起承転結のある小説になっていました。
これなら、映画化も可能でしょう。

過去二作の騙し絵のような読み心地とは違って、今回は本当に普通の小説でしたので、いささか拍子抜けしたというのも否めません。
でも、タイトル通りのかるーく読める娯楽小説で楽しめました。

それに、キャラクター達はいつも通りの伊坂節という感じ。
伊坂キャラは、インテリっぽくて、ひねくれた比喩が好きで、受け入れがたい人にはなんだかムカっとくるキャラ作り(および地の文もそんな感じ)をしているから、嫌いな人は嫌いなんでしょうが、伊坂キャラの利口なくせに行動はどこかお馬鹿さんなところがかわいいと思うんですが。
オーデュポンの伊藤さんが、思いつきでコンビニ強盗しようとしてみたり、本作の雪子が、相談できなくて物凄く遠回りな探りを仲間に入れていたり。
そもそも、銀行強盗するきっかけもけっこういい加減と言えばいい加減。

そんなわけで、銀行強盗4人組のやり取りも、可愛かったです。
響野と成瀬とか、成瀬と久遠とか、響野と慎一くんとかとか、可愛い。

ところで、解説がいまいちでした。
解説が本編色に染まっちゃってる場合が結構見受けられるのですが、今回もその例だったと思う。
わざと伊坂っぽさを演出しているのだろうけれど、見た目ほどあの伊坂節は簡単ではないと思う。

映画の方は、いまのところキャストを見ても全くピンとこないのが正直な所ですが、せっかくの映画化ですからおもしろいものになっていればいいなぁと、観るか観ないかは別として思っています。

どうでもいいことですが、伊坂氏は犬派ですよね。きっと。よく出てくる。



蒼子 |MAILHomePage

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