妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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| 2005年10月01日(土) |
『パニック・裸の王様』(小) |
【開高健 新潮社文庫】
初めて読みます。 思いのほか読みやすい文体でした。 寓話的四話が収録されてます。 私は『裸の王様』が一番好きかなー。
「パニック」 ネズミの大発生によるパニックの話。 お役所仕事のいい加減さなんてものも書かれているけれど、ネズミが一斉に湖に向かい、溺れ死んだのを見届けた後の、主人公の虚脱感だけが大事な話だったように感じる。
「巨人と玩具」 仕事の合間の休憩時間に読むと、なかなか鬱々とした気持ちになる話でした。 なんともリアルな感触。 きっと、これが書かれた当時よりも、現在の方がよりリアル感が増していると思う。
「裸の王様」 純粋に「ぼく」というキャラが好きだった話。
「流亡記」 秦の頃の話なのですが、まるっきり現代的な解釈で書かれてるので、秦の始皇帝の話と言うよりは、いつかのどこかの話という印象が強い。 万里の長城を作ることの徒労が一平民の視点で書かれていて、ひたすらぐったりしてくる話。 人生って、何?そんな気分になる一話です。 新しい風を送り込むものとして、匈奴の存在が書かれているけれど、それもこの流れではそれほどの救いにもならないように感じる。
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