妄言読書日記
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2005年02月22日(火) 『バカ日本地図 全国のバカが考えた脳内列島MAP』(他)

【一刀 技術評論社】

久しぶりにバカ系の本を。
こういう系統の本で、面白い本というのは案外みつけるのが難しいものです。
ネタ本はたくさんありますが、やはり面白いのはやってる側がいかに真剣なのかという部分にかかっていると思います。
『この方法で生きのびろ』シリーズの秀逸さはそこにあるかと(あと緊張感のない挿絵。あれも天然の真剣さを感じる)

『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー』(02.6.17参照)のようなものですが、違うとすれば、さまざまなうろ覚え、更に勝手なイメージをそのまま地図に反映させ地図を作り上げるという点。
消えていく県の多さに、ここの県民はなぜ黙っているのだろう、と不思議に思うこと多々ですが、ショックすぎて発言できなかったのかもしれないし、いまさら主張して傷口を広げることを避けたのかもしれません。
また、載っていたとしても最終的に、どうでもいいという理由で、消える鳥取・島根のことを思うと、最初から載らないほうがいいのかもしれません。

笑いながら読みつつ、地元の話題になると苦笑いしつつ、時々同様のことを思っている自分に冷や汗かきつつ・・・。
ためしに私も日本地図を書いてみたら、まんまと福岡の場所に福井と書きました。あれ、福井が二つある・・・とか思いました。
自分の住んでいるところから遠ざかるほどに、わからなくなりその地方の人に申し訳なくて仕方ありません。

この地図を見て思うのは、情報化社会なんて嘘だな、と。
みんな自分の住んでる所にしか結局のところ関心がないんです。
みんなが知っている東京だって、地方の人間の手にかかれば惨憺たる土地になります。表紙見返しにある、超東京地図なんて、私から見ると何が違うかわかりません。

この地図はこの地図である側面から見ると、非常に正しいような気がしてきます。
ただ、なんだか参加者に偏りがあるような気がしますけど。

ネタと思われるものを排除する姿勢が良いです。
意見の反映のさせかたにセンスを感じます。四国の印象が薄いからって、雲がかかったり、佐賀が海底都市になったり、軽井沢が浮いていたり。

合間の「バカ日本史外伝」は回を追うごとに遊びすぎている感じがします。
悪ノリ。

バカ日本地図を見たい人はここ→「借力」http://www.chakuriki.net/

サイトの書籍化にはどうも賛同しかねますが、今後も増えていくのなら、書籍化ならではの何かを追加するように考慮して欲しいもの。
本書は書籍ならではの編集で、地図の変遷が見易いのが良。



蒼子 |MAILHomePage

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