妄言読書日記
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2005年02月13日(日) 『しゃばけ』(小)

【畠中恵 新潮社文庫】

これは何シリーズとかいう通称があるのでしょうか。
ほんのりと人気上昇中らしい、若旦那と妖怪たち第一作です。
『巷説百物語』(本当は妖怪でないけど)と『百鬼夜行抄』(ああ見えて思い切り舞台が現代だけど)の間、みたいな感じでしょうか。この二作より毒気も怖さもなく、江戸の町で殺人事件が続発してもどことなくのほほんとしておりますが。

表紙や挿絵の可愛らしくユーモラスな妖怪たちが象徴するように、廻船問屋の若旦那の周りにいる妖怪たちは可愛かったり抜けていたりです。
もう少し、妖らしい毒気が欲しい感じもいたします。

どうもこういう話だと、『百鬼夜行抄』が秀逸なだけに、比べたくなります。
あちらは漫画ですが。

読んで損はない面白さは保障しますが、もう一歩なにかが欲しいような。
妖怪ならではなエピソードが、出だしだけなのが残念なのです。
仁吉(白沢=中国の霊獣らしい)、佐助(犬神)は凄い妖怪なんだから、もう少し活躍して欲しかったなぁ。
最後とか・・・もうちょっとがんばれ、二人。

一太郎の兄とか、栄吉のお菓子作りの腕前とかが気になるので、続編が、早く文庫化してくれるのを待っています。
若旦那は、この先も体が丈夫になることはないのでしょうか。



蒼子 |MAILHomePage

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