妄言読書日記
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2004年10月21日(木) 『動機』(小)

【横山秀夫 文春文庫】

次々映画化ドラマ化される、今をときめく作家です。
どれも見てないけど。「顔」は微妙に見た記憶が・・・

「動機」
刑事小説短編集だと思ったら、これしか刑事物がなかったという誤算。『陰の季節』を先に読めばよかったですね。
高村薫の『愁訴の花』を思い出す渋めの話。
警務課と刑事課の確執が面白い。
警察手帳と言うのは大事なのですねぇ。
非の打ち所のない、申し分無しの刑事物。さすが。

「逆転の夏」
ミステリーです。
依頼殺人と交換殺人のミックスネタでしょうか。
盛り上げ方が巧みです。
なるほど、というからくり。

「ネタ元」
女性記者の話。
“新聞拡張戦争”という話は面白い。そうやって、新聞社はしのぎを削っているんだなぁ。
基本的に女性を書くのはあまり上手くない感じがします。
渋い路線がいいなぁ。

「密室の人」
居眠りによって失脚する裁判官という話は面白かったのですが、ラストの方でありきたりな恋愛話になってくるのがつまらないです。
というか、あの嫁の人物造詣がたまらなく嫌いです。
清楚で粛々として、上品で若くて美しい女性。だけど胸のうちに熱いもの秘めてます、という。
夢、見るな!
と。よくいるよね、官能系の小説に。
横山氏は、恋愛と女は書かないほうがいいんじゃないかと。
ネタは面白いのになー。



蒼子 |MAILHomePage

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