妄言読書日記
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2004年10月01日(金) 『六番目の小夜子』(小)

【恩田陸 新潮文庫】

今をときめく作家さんのデビュー作。
恩田陸は一冊だけ読んだことがあります。
不思議な感じのミステリーで、面白いと思うし読みやすいですが、なぜか何冊も読もうとは思えない人です。

面白かったですよ。
キャラクターが高校生としてはリアルさに欠けるけど、大人になってから回想するとたいていこういう高校生ができあがるから、それはそれでこの物語にあってはいたと思う。
まあ、主人公4人が4人ともできすぎな感じはしますがね・・・
小夜子という少女が魅力的なので、他の三人はそこまでできた子にしなくてもいいんじゃないかな、と。秋くんは、しょうがないかな。

学校祭での「六番目のサヨコ」を演じるシーンが、とても上手い。
前に読んだ本もそうだったけれど、一瞬の恐怖感を盛り上げるのがうまく、それが後を引かないのもよいですね。

私はどうも裏を読みすぎみたいで、語り口がなんとなく引っかかったので、この物語全体が「サヨコ」という劇なのかと最後まで思ってました。
結局、桜・・・・?
卒業式シーンで終わってもよかったんじゃないかなーと思いました。小夜子の怒りが印象的だから。

良作でした。
(『魔性の子』をちょっと思い出しました)



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