妄言読書日記
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2004年08月28日(土) 『一千一秒物語』(小)

【稲垣足穂 新潮文庫】

真夏、しかも今年のように暑い季節に読む本じゃないな、としみじみしながら、とろとろと読んでいました。
秋の夜長とか、冬とか向きですね。
そして内容がこれっぽっちもわからなかった。
本当にわからん。

「一千一秒物語」
雰囲気
それで読むしかない。
それとも他に何か読み方があるのですか。

ある晩の出来事
ある晩、月のかげ射すリンデンの並木道を口笛ふいて通っているとエイッ!ビュン!たいへんな力で投げ飛ばされた


という数行の文がずっと続くわけです。
嫌いではないですが、そこで何を言えと。

「黄漠奇聞」
唯一分かりやすい話でした。
井上靖の「聖者」という短編を思い出しました。
内容どうこうというより、理解できたことにほっとしましたよ。
でも白い砂漠の情景はとても幻想的。

「チョコレット」「星を売る店」
深く考えずにおもしろがればいいのかな、という気もいたしました。
会話のテンポとか言葉の面白さとか。

「天体嗜好症」「弥勒」「彼等」「美のはかなさ」
お手上げです。
感想をいえるほど理解してません。

「A感覚とV感覚」
これは小説じゃないのですが、AとVの違いすらままならなかったので、私の読解力もたかがしれているのでしょうかね。

理解できなくともなんとか最後まで読みきることに意味があると思っているのですが、さすがに疲れました。なんだか徒労感も覚えました。本を読んで久しぶりに。
何度か繰り返し読んだらいいのでしょうね。再読される日は来るかどうか怪しいけれど。



蒼子 |MAILHomePage

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