妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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| 2004年04月04日(日) |
『ドコカの国にようこそ!』『青い館の崩壊 ブルー・ローズ殺人事件』(小) |
【大海赫 ブッキング】
復刊第二弾。今月は『クロイヌ家具店』も復刊するそうで、順調ですね。 この勢いで是非『メキメキえんぴつ』もお願いしたい。
しかし、大海氏の児童書は子どもには絶対に受けないと思うし、ましてや大人にも受けないだろうと改めて思いました。 本書、児童書にはよくある「異世界物」なのですが、全然ワクワクしない。 主人公の子どもが、ふとしたきっかけで異世界に行っちゃうという話はよくありますが、本当に素敵なのかどうなのかわからない「ドコカの国」めざして試練を受ける児童書はあまり聞いたことがないです。 けれども子どもが勇気と優しさを試される試練を受けるような話なら、けっこうあります。 これもその類の話ではあるのですが・・・ 私にはその試練乗り越えられそうもないな、と思う以前に、受けたくない。 乗り越えた先にあるドコカの国も、なんだかコワイ。 大海氏の挿絵のせいもあるのでしょうけれど。
大海赫の児童書は、子どもに対する甘やかしが一切ない感じがします。 たまに子どもはこういうのを読んで、コワイ思いをした方がいいのかもしれません。 児童図書館には是非一冊、氏の本を置いて欲しいくらいです。
+++++++++++ 【倉阪鬼一郎 講談社ノベルズ】
この人はスプラッターホラーのイメージがあるのですが、本書はミステリ。 前に『ブラッド』を読んだことがあるのですが、登場人物に極めて公平な小説でしたね。 誰も生き残らないと言う点において。
そんな経験から、本書もきっと頭の痛いことになってるんだろうなと予想してましたが、やっぱり頭が痛い小説でした。 裏面に異能の名探偵と書いてあるから何かと思ったら、吸血鬼だそうです。 終始、吸血鬼である意味があるんだかないんだか・・・と首をひねって、首をひねったまま終わりました。 しかも、名探偵じゃないし。 本書の半分くらいは無意味な記述で埋まっているあたりも、頭が痛く。 「青い薔薇を探して」のあたりはほとんど無用の長物。
そんな具合なので、半分くらい読んで以降は、ゴースト・ハンター×黒川について主に考えてました。 だって、推理するべきことがらもとくにないし・・・。多重人格なのは一目瞭然だし…。館に人が三人なのもすぐわかるし・・・・・・ ああ、虹子は氷漬なのかと思ったのですが、違いましたね。 「見事に反転する世界」なんて書いてあるから、もっと酷いことになるかと思いきやそんなこともなかったです。
面白くなかったわけじゃないんですよ。 ただ、作中劇ともいうべき、三つの小説はまともに読んでると頭が痛いので、あまり真剣に読まないように務めていただけです。 普通の地の部分は面白いです。
しかし一番驚いたのは、これが実はシリーズ物だったということですね。 まだあるんだ。この二人の話。ちょっと気になります。
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