こんな日常。

2008年04月01日(火) SS エイプリルフール

4月は人事異動の季節。うちの支店も例外ではなく、何と店長が変わることになりました。
支店の雰囲気は店長によるところも大きいと言うので、次の人がどんな人なのかドキドキしています。
何より、今の店長は大好きだったので、仕方ないと分かっていても悲しいものです。
前にも言ったような気がしますが、どうして出て行って欲しくない人に限って異動になるのか。
あ、あと今年もうちの店に新人はきませんでした。私が一番下っ端のまま。
気が楽で、ちょっと嬉しいです(笑)


=====================================================================

エイプリルフールと言っても、なかなか嘘ってつけないよね。
でも、せっかくだから1つくらいついてみたい。
じゃあ、それぞれで騙してみようか。

そんなことを話したのが、昨夜のこと。


『首尾はどうー?』
「うーん、まだ良いのが思いつかなくて」
受話器から聞こえてくる明るい声に、和宏は苦笑しながら応える。
「相手を傷つけないような嘘って、難しいよね」
冗談だよと言って笑えるようなのが良いのだが、なかなか見つからない。
言う方は冗談でも、言われた方が本気で受け止めたら、もう冗談では済まされないと思うから、どうしても色々と考えてしまう。

『言い出しといてなんだけどさ、無理に考えなくても良いと思うよ』
「え?」
『嘘なんてホントはつかない方が良いんだから。思いつかなかったら、それはそれで良いんじゃない?』
渚は、いっそ気持ちが良いくらいあっさりと言ってくれる。
それもそうかと思わず納得してしまうほど。
嘘を考えるのを止めたら、すっと軽くなった感じがした。

「そういや大塚さんは実行したの?」
『もちろん。今頃繋がらない電話に苛々していると思うから、冗談だよって言ってあげて。じゃあまたねー』
「え、僕が?って、大塚さん!?」

言いたいことだけ言って切れた電話が、再び着信を告げたのは数分後。
渚が何を言ったのか分からないまま、興奮気味の秋良に必死でエイプリルフールだからと説明する。
やっぱり嘘はつかない方が良い。そう思ったのは、ぐったりした30分後の話。


=====================================================================

エイプリルフールって何気に嘘つけないですよね、とお客さんと話したもので(笑)
ちなみに渚ちゃんがどんな嘘をついたのかは、深く考えてません。


 < 過去  INDEX  未来 >


平野 咲 [MAIL]