こんな日常。

2007年05月15日(火) SS てるてる坊主

先週の土日に美容院行く予定がすっかり電話するのを忘れていたので、早いうちに!と今日電話しました。
まだ日にちもあるし、好きなところで予約入れられるだろうと余裕ぶっこいていたのですが、しかし。
土曜日は夕方(多分)から予定があるので、12時前後で〜とお願いしたところ、「土曜日ですと・・・3時ぐらいでどうですか?」なんて言われる始末。
地元の小さな店なのに!?(でもチェーン展開しているらしい)
しかも12時前後じゃないだろ、その時間じゃ!会話のキャッチボールがなってないよ!
結局、10時からにしてもらいました。朝早いなぁ。でも仕方ない。
髪の毛だけ綺麗になって会いに行くから待っててねv>姉たちへ私信(笑)


大分前に書いたまま埋もれていた話を発見↓

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雨。雨、雨。
昨日も雨、今日も雨。明日も雨?

「・・・いつまで降るんだろ」
窓から見上げる空はどんより曇っていて、大分弱まってきたとはいえ霧雨のような細かい雨は止む気配はない。
風もあるのか、窓にはずっと雨粒がぶつかってきている。
きっと窓を開けたら、部屋の中まで濡れてしまうだろう。
それはマズイからやらないけれど、本当のところ全開にして「さっさと止め!」と叫んでしまいたい気分だ。
「あら?拓弥くん、こんなとこにいたの?」
「あ、ごめんなさい」
「別に構わないわよ、恭平も拓弥くんなら良いって言ってるし。それに部屋は使わないと傷むだけだからね」
おばさんはにこにこ笑ってそう言うけど、ちょっと気まずいことには変わりない。
だってすぐ隣に自分の部屋があるのに、何となく寂しくて勝手に恭ちゃんの部屋に入り込んでたんだから。
ガキみたいで格好悪い。
それもこれも、みんなこの雨が悪いんだ。
八つ当たり気味に睨み付けてみても、窓から見える景色は変わらない。
「明日も雨かなぁ?」
「そうね、天気予報では50%だったけど」
「・・・明日晴れたら、恭ちゃんに買い物付き合ってもらう約束なんだ」
独り言のように呟けば、おばさんは「雨でも付き合ってくれるわよ」と笑って、部屋を出ていった。

大学のキャンパスの関係でこの間から独り暮らしを始めた恭ちゃんが、久しぶりに帰ってくると連絡があったのが一昨日のこと。
嬉しくて一緒に出かけたいと頼んだら、笑いながら「晴れたらな」って返事がきた。
だから、明日は絶対晴れなきゃダメなんだ。
遠足の前日だってこんなに祈ったことないくらい祈ってるし、不器用なりに頑張って、てるてる坊主も3匹も作ったんだから。
「だから絶対晴れるはず」
「それは良いけど、そいつら頭重すぎてふれふれ坊主になってるぞ」
ふいにかかった声に振り向けば、恭ちゃんがてるてる坊主を指差して苦笑していた。
「恭ちゃん!?えっ、何で?」
「明日も雨みたいだからな。きっと拓弥が今みたいに祈ってると思ったから、早めに帰ってきた」
「べ、別に祈ってなんかないよ!」
恭ちゃんが早く帰ってきてくれたことは堪らなく嬉しいのに、つい虚勢を張ってしまう。
最近はいつもこうだ。ちょっと前までは素直になれたのに。
恭ちゃんはそんな俺をおかしそうに笑うだけで、今までと何も変わらない。
「それなら良いんだけど。それより明日雨降ったらさ、俺の買い物に付き合って。父さんに車借りるから」
「・・・雨だったらね!」
恭ちゃんはきっと、俺の気持ちなんて全部お見通しなんだろう。
さっきまでのモヤモヤはどこか飛んでいってしまって、もう外の天気なんて気にならない。
「ただいま」って笑ってくれれば、こうやって側にいてくれれば他は何でも良い。
やっぱり悔しいから、それも口には出さないけど。
「・・・お帰りなさい」
ようやく言えた素直な言葉に、恭ちゃんは大きな手でくしゃりと頭を撫でてくれた。

・・・・・・でも、やっぱり明日は晴れてほしいかな。
せっかくてるてる坊主つくったんだしね。


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当時、恭平大学3年、拓弥中学3年。拓弥ちょっと幼すぎ(笑)でも若干反抗期です。
そして次の日は曇りで、さあどうするよって話になりそう。格好つけてもきまらないのが恭平です(笑)←酷い
ちなみに「ふれふれ坊主」はてるてる坊主を上下逆に吊るしたヤツです。明日雨降れ〜と祈るときに使います。
ただし、「ふれふれ坊主」は私の造語です(笑)正式名称なんなんだろ?(あんのか?)


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平野 咲 [MAIL]