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| 2005年07月18日(月) ■ |
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| 出会いは突然(2) |
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金曜日の夜 新宿発藤沢行きの小田急線 下北沢からぎゅ〜ぎゅぅ〜で腕もあがら〜んの急行に 乗り込んだのだけれど
電車が動き出してしばらくして 目の前の女性の肩と首の様子が あきらかにおかしいことに気付いた 眠ってる…?? 後ろ向きのその女性はあきらかに わたしのほうへ全体重をあずけてきている、この状況ではとても辛い
それどころか電車の傾きの向きが変わるたびに 周囲のひとに次々と寄りかかりはじめだした ので、周囲の人達が力を合わせてそのひとを支え始める こんなときに生まれるのは 見知らぬ人達との連帯感と 誰かが先頭切ってなんとかしろよ、と思い合っている気まずい距離感 それに最初に負けたのがわたしだったのだろうか
とりあえず問題の女性の2時の方向、 ドア際にいた女の子に場所を変わってもらえるように頼む 女の子は快くドア際のグッドポジションをゆずってくれたのだが 今度はその女の子が真後ろに回ってしまったので 彼女がほぼひとりで問題の女性の体重を支えることになってしまったようだ
わたしの提案で犠牲になることとなった女の子の 辛そうな姿勢と助けを求める視線 どうするか… えーいどないとせいっ 「すいません。降ろしますんで空けてください」 次の駅に着いたところで 問題の女性の脇の下にぐっと手をいれ かつぎだす事とあいまみえた
もしもーし。周りの方に迷惑になるんでー 電車降ろさせていただきましたー 「あ…え?」 目が覚めた様子 酔ってます?かなり? 「はい…あ…すいません…」
まだとろーんとしている、と思いきや くわっと両まぶたが開いて、こっちまでびっくりする そのあと女性は平謝りに謝って 「もう大丈夫ですから」と頭を深く下げた 大丈夫かねぇ…この指何本に見えます? 「3本です…ほんとにすいません」と恥ずかしそう 恥ずかしいのはこっちじゃ なにが恥ずかしいって、右手の指3本立てて 以前にテレビかなんかのヨッパライ特集で見た警官の仕草を そのままやってる自分が恥ずかしい
駅員さんとこまで連れてく覚悟でいたけど ま、口調もしっかりしてきたし大丈夫かなぁ、と思ったとき あのー、と女性が聞いてきた 「海老名ってどこまで行けばいいんでしたっけ…? あの電車で行けますよね?」 あかん。ここは登戸。 ちなみにあの電車では売店ひとつなさそうな山の中へ行ってしまうぞ! ぜんぜんあかんじゃないですか!きみぃ!! そこへ丁度正しい方向への、しかも空席が並ぶ各駅停車が来たので とりあえず供に座ってもらってゆったり帰ることにした いよいよ駄目なら駅員さんのところに連行すればいいし
けれど幸いなことに 彼女は段々と、現在の自分の状況と 隣りに座っている素性のわからぬ男性との会話の中で 正気(しらふ)を取り戻してくれたようであった
引越しをしたばかりで路線図がよく分かってなかった、 職場も変えて、元の職場の人達と飲んできた帰りだった、 お酒には強いはずだったのに、初めてこんなことになってとても恥ずかしい、
海老名への正しい帰り方を伝えて、あとは雑談をしつつ やがて電車はゆるゆると我が街、町田へ
この間、彼女はたくさんの「すいませんでした」を言った もーいいです。おなじ53年生まれじゃないのさ こちらもぎゅーぎゅーの満員電車で帰るのかぁぁってうんざりしてたのが 一応楽しく話しながら帰れたわけだし それでも彼女はしきりに「すいませんでした」と言った もーええっちゅーに。 あ!じゃあこうしましょ!日記みたいのをネットで書いてるんで そのネタにさせてくださいな!それでチャラ。 彼女は「はい。さんざんわらいものにしちゃってください」と笑うのだった
町田駅を出たあと ぽつぽつと歩いて家に帰り ドアを閉める。ばたん。そのとき二つの事に気付く 1、あ、そういえば街中で女性と知り合ってあんなふうに話したりするの初めてなのだわ 彼女はわたしが降りる間際 「いいひとに助けてもらえてよかったです。ありがとうございました」と、改めて頭を下げた 2、いいひと、いいひと…もしかして「いいひとに終わる」、という言葉は正に こういう事を指しているのだろうか? 落ち着いて見るととても綺麗な女性だったのだ 両目の焦点が合ってさえいれば
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