かなしいうわさ
| home |日記の表紙 | 前↓ | 次↑
2006年12月22日(金)
転げて浮かべ煮汁のなかで それぞれのワルツを踊ろうよ
〈オフノート歳末&年始・感謝セールのご案内〉http://ironbridge.exblog.jp/4774556/ いまひとつ、本音で申せば、実は窮余の一策。CD、売れない、ライブ、お客さん入らない。オフノート、始まって以来の厳しき年の瀬と相成りました(厳しきは例年のことながら本年は底の底)。なんとか、2006年を無事に年越し出来ぬものかと、ありもしない智慧を絞りに絞り・捻り出した企画が本セールという次第です。 たいへんみたいです(;´Д`) 日本でしか生まれ得なかった、ほんとうにオリジナルな音楽ばかりを取り扱っている、素晴らしいレーベルなんですよ。あんまりそこらのCD量販店には在庫ないですが。お金にすこしばかりの余裕があって、音楽が好きで、いろいろあるけどもやっぱり日本人でよかったわ俺、と思いたい方、是非どうぞ。 良い機会なので、俺の好きなオフノート音源を挙げておきます。 コンポステラ/歩く人 ライブ演奏。チンドン音楽に通じる、ブガチャカしていて、愉しく、かなしい大衆ジャズ。まだ物心つかぬはるか昔、ここではないどこかで聴いたことがあるような...そんな不思議な気分にさせられる。他ではまったく換えが効かない音。超プログレッシヴだけど、ひとつも難しくない、むしろ子供やお年寄りにこそ聴いてほしいなあ。→昔の感想 大工哲弘 /ジンターナショナル はじめて聴いたときは「どこのおじいさんですか?」と思ってしまったけど、そのうちそのテロンとした歌が脳髄にじんじんと沁みてきた。ソウルフラワーファンにはおなじみの「インターナショナル」「復興節」「がんばろう」かっこいいです。ああ、がんばろう、という気になりますねほんとに。「ゴンドラの唄」、泣けます、これはもうブルースだ。いーのちーみじーかしーこいせよおとーめー。奥さんが歌う「愛の子守唄」のたおやかさにもじわっと来てしまう。今日はなんて良い日なんだ愉しいなあという気持ちをじっくりと歌った「揃った節」から、宴が盛り上がりすぎちゃう「六調」への流れの楽しさときたら無い。たまのメンバーと一緒にやってる「生活の柄」は、うまく炊き上がったごはんのようにほっこり。本家の高田渡のそれより好きな位。 音の粒/林栄一 ちょっと、このサックス誰?すげえ!と思うとアラ林さん、ということが続いたため、たまたま店頭にあったこれを購入したんだった。サックスの独演、ライブ音源。魂を雑巾のようにギューと絞り上げるように熱くブロウしまくる。スピーカーの網をうっちゃって、頭つっこんで脳みそに響かせながら聴きたくなる。なのに、なぜか全くやかましく感じない。フリージャズ色が強く明確なメロディのない曲も多いが、それでもスッと現れては消えてゆくメロディが心にじわっと残る。ジャコパスの「Donna Lee」のカバーが大好きだ。 唄う人/オクノ修 リリース当時こんな感想文 で激賞してた。気持ちはまったく変わらない。渋谷毅と一緒にやってた頃のオザケンとか、ニック・ドレイクのひんやりとした暖かさが好きな人は必聴です。 おおっと出かける時間。つれれこ社中や、メンバーのソロ(上野茂都、鈴木常吉)のこともあとで褒めます。 (06.12.29追記) ということで、褒めます。 つれれこ社中 /雲 「日本のトラッド」などと称される伝説の?一枚。もう好き過ぎてどう褒めていいのかわかんない。三味線、アコーディオン、マンドリンにラッパでブンガブンガ、ゆるりゆるりと喧騒をすり抜けていく絶妙のアンサンブル。陰も陽も併せ呑んだシヴ過ぎるふたりのボーカル。そしてなにより、素っ頓狂に責めまくる歌詞のセンスがいいんだなあ。なんてことない普通の毎日の機微を、わっかりやすく、しなやかに、明確に、曖昧に、奥深く、時にホロリと、切り取っている。クレイジーキャッツは大好きだけどいやァそのうちなんとかならないこともたくさんあるねェ世知辛い世の中であることだなァ〜と嘆く前に、この一枚を聴いて!! そしてキャベツの芯は捨てるな!! ふやけてはんぺん雲になれ ちぎれてこんにゃく石になれ 流れてしらたき風になれ 輝いてぎんなん星になれ 4枚出している上野さんのソロは素っ頓狂度が更に増していてこれまたオススメ。最近やっと出た上野さんのソロは切な度が更に増していてこれまたまたオススメ。 ということで皆さんも色々買いなさいよヽ ( ´Д`) ノ
2006おれ的わたし的ベスト 応募受付中 です 既に4名の方からいただいています。 これがまた、じつに、おもしろい... 今の時点で既に欲しいものが20ヶくらい出てきてしまっています。うーん嬉しい悲鳴(;´Д`) ラジオ更新 今年最後のラジオ更新になると思います。Pavement - At and T Pavement - Give it a day Erroll Garner Sufjan Stevens - Come Thou Fount Of Every Blessing Sufjan Stevens - I Saw Three Ships Sufjan Stevens - Put The Lights On The Tree Johnny Mercer - Winter Wonderland tenniscoats - tree or not to be The Beach Boys - Disney Girls Bing Crosby - I'll Be Home For Christmas DEEP RUMBA - I Wish You Love Funkadelic - Free Your Mind And Your Ass Will Follow Jeremy Steig - alias Jeremy Steig - Howling For Judy Bukka White - Bukka's Jitterbug Swing Maurice - This Is Acid Skream - Check-It La Dusseldorf - Dusseldorf Moondog - Organ Rounds 般若- やっちゃった Jackie Opel - Pity Of Fool Marisa Monte - Pernambucobucolismo Caetano Veloso - Um Sonho The Dirty Dozen Brass Band - Just a closer walk with thee Cesaria Evora - Travessa De Peixeira Peter Bjorn And John - Young Folks Zion Train - Ella`s Melody Prince - 3121 Kaki King - ...Until We Felt Red ありやまじゅんじ - 光る雪 Marisa Monte - O Rio 泉谷しげる- 愛してるよ Aaron Neville - Rainy Night In Georgia (Feat. Chris Botti) 上野茂都 - さびすいか Rónán Ó Snodaigh - An Taobh Tuathail Rahsaan Roland Kirk - Rahsaan's Spirit Blue King Brown - Come And Check Your Head Blue King Brown - We Won't Go BO GUMBOS - よろこびのうた BO GUMBOS - バビロン 桜川唯丸- さのせ 桜川唯丸- 唯丸節 Boogie Down Productions - BDP Medley #11 Captain Beefheart & His Magic - Hog Callin? Blues Os Mutantes - A Minha Menina シカラムータ - 平和に生きる権利 浅川マキ - セント・ジェームス病院(ライブ) Frighty & Colonel Mite - Life (Is What You Make It) Desmond Dekker - Get Up Edina Leo Kottke - The Credits-Out-takes Gilberto Gil - Preciso Aprender A Só Ser Gilberto Gil - Aqui E Agora Flook - Padraig's Charles Mingus - Eat That Chicken Gil Scott Heron - Wiggy RC サクセション - わかってもらえるさ The Heptones - Soul Power 鈴木茂- ウッドペッカー Pete Ham - No Matter What Patti Austin - Say You Love Me World Supreme Funky Fellows 21
カウント・マチューキとロード・コミックによるスカンキン。 キュート・ミュージック・フロム・ハード・シティ。 「おすすめ文庫王国 」と併せて、数年ぶりに購入。学生時代は毎号読んでいたのだけど、これを熟読している暇があったら積ん読の山をどうにかしたほうがいいと気が付いてやめた。さすがに吉野朔美のマンガは終わっちゃっているのか。沢野ひとしのゆるい挿絵や四コマは相変わらず。 2006ベスト。いつものことながら、選考がどうにもこうにもテキトー。5人くらいが各々のオススメを挙げていって、それを10冊にまとめて順位をつけるのだけど、各々の挙げる本がバラバラ。選定基準なし。主観のみ。「これが3位以内に入らなかったら、僕、レッズ・サポ、辞めます!」「ふーん」とか。「あっ、上半期のベスト1にした『図書館戦争』が入っていませんよ」「もう決まっちゃったんだから仕方ないよ。呑みに行くぞ。」とかっつって。テキトーを装って恣意的な選にしているのかもしれないけど、毎年とびきり面白い本を教えてくれるのは確かなので別にどうでもいいわ。これ参考に年末年始でいろいろ読もう。
2006年12月16日(土)
スフィアンの愉しいクリスマス
NRBQの名作「Christmas Wish」を超えたね。 アメリカの宅録シンガーが、家族や友達のために書き溜めたクリスマスソングを5枚組でリリース。いやいやいやいや。スフィアン君が天才なのは判っちゃいるけど、流石にクリスマスソングばっかり5枚はきついだろう。どうせ内容もデモテイクみたいなもんばっかりだろ? ...とタカをくくっていたのだけど、下記アドレスでまるごと試聴しhttp://www.asthmatickitty.com/suf_xmas/suf_xmas.php たところ、「アラ、いいですね」の波が何度も押し寄せて来ちゃって購入。 有名なクリスマスソングが殆どなのに、オリジナルソングかと聴き紛う程に自分のものにしている。スフィアンのドリーミーな作風がクリスマスソングの祝祭的なムードとぴったり合っているんだろう。ゆるませるところはユルユルにゆるませてはいるが、要所要所でエッジもビシっと効かせているからダレないし。クリスマスに関わらず冬の間はずっと聴けそうだ。 とにかく、実になごめます。心をゆるませたいひと時のお供にどうぞ。 2枚目のhark!が特にいいなあ。
ご無沙汰してます。お元気ですか?俺は元気です。 ノロウイルス、ほんとうに大流行してるみたいなんで気をつけてくださいね。寝グソが止まらなくて彼女のナプキンをトランクスに装着する羽目になりたくなければ手を良く洗うことだ(´ー`) 「ファンク」が足りないなどと弱音を吐いたところ、掲示板にておすすめいただいた一枚。初代桜川唯丸 /ウランバンDx ああ、たしかにこれはすばらしいや。アフロビートとお経と童謡、いろんな音楽がぐったぐったと混ぜくり返っているけど、全く揺るがないぶっとい音頭の心。魂を根っこんとこからグワシと鷲掴まれて、ぶるっぶる揺さぶられる。そうそう、この震えこそが俺にとってのファンクだ。ダンス・ミュージックと言い切るにはボトムが弱いけど、そんな些細な事ではこの音楽の持っている太さは全く減じない。減じるかっつうの。ただベース太くして「肉踊らせる」だけの音楽はもういい、血もフツフツと沸かせてくれなければ。 アリ・ハッサン・クバーンもカバーしたアフロ音頭「さのせ」がまず凄いが、古謝美佐子もカバーした「黒い雨」すらも、静かな童謡にもかかわらず、太い。コロコロと転がるコブシがじわじわと染み入る。そして極めつけは、24分に及んで江州音頭・浪曲・クロンチョン・般若心経・聖者の行進...を縦横無尽に駆け巡る「唯丸節」。無自覚なトビっぷりが凄すぎる。サイケ過ぎて思わず逝きそうに..... じゃがたらや渋さ知らズ、ボ・ガンボス、ローランド・カークなどなどを好きにならずにゃいられない、魂の祝祭を求めるブラザー&シスター達よ。これは聴くべきだ。 日記の途中ですが、お願いです。 友部さん出演の「僕らの音楽」を録画された方。お願いします(;´人`) お願いします ひさびさにジャケ買い。宮沢昭 /木曽 ジャパニーズ・スピリチュアルの最高峰!! 和ジャズに精神性を求めるならば「木曽」!! という嘘クサイ煽り文句にも惹かれたことは確かだけど、なによりこのタイトル、このジャケ...木曽って...浮いてるし....空に.....曲名も1.木曽 2.浅間 3.白馬 4. 飛騨 って.... 最高じゃないか(;´Д`) こんなセンスに俺が抗えるわけがないじゃないですか! ということでイソイソと家に連れて帰りました。 聴いてみて吃驚、内容もすばらしい。煽り文は嘘じゃなかった。吉田達也ばりに手数の多いブレイキンかつドシャメシカなドラミング!柔らかにうつくしく鳴り続けるピアノ!ぶっとく支えつつ時にトリッキーなベース!日本的なフレーズがほんとに自然に表出しつつもファラオ・サンダースをも凌ぐ程にブイブイと唸りあげまくる熱いサックス/フルート! それらが、ぶつかり、混ざり、絡まり、静まる。 フリージャズではあるけれど、ピンと張る美しさが常にあり、奇跡のようなバランスが保たれているから、ほんとうに聴きやすい。 ジャケ買いがこれだけ大当たりだったのは久々だなあ。この前のアルバムもぜひ聴きたい、と思って調べてみたら、「いわな」 って、宮沢さん...しなやかな岩魚の写真のジャケット...曲名が1.いわな 2.河ます 3.あゆ 4.虹ます って....宮沢さんあんた最高だよ(;´Д`) このところポコポコ再発されている昭和の和ジャズも玉石混淆なんだろうけど、たまたま試聴して「うわーこれ日本のSahib Shihabじゃん!」とたまげて即買いした「松本英彦のモダン・ジャズ」 といい、この「昭和ジャズ復刻シリーズ」 には"玉"が多そうだ。ちょっと追っかけてみるか。某茄子も(わずかばかし)出るしな!
年末まで休みが無いぜうははははヽ(´ー`) ノ うはははははうんどどっぐていらああああああ
ウイルスは駆逐され、腸はビフィズス菌でみたされた。 早速カレー喰ってきましたヽ(´π`) ノウメェ トゥモロー・ワールド観てきたhttp://www.tomorrow-world.com/ 原題は"Children Of Men" 素晴らしかった。心臓を鷲掴みにされるような衝撃をうけた。ストーリー、プロットのすばらしさ。込められた思いの強さ。映像のものすごさ。 今年のベスト決定。みなさんも観てください。 人が死ぬ。死んだら痛い。辛い。でも死んでいく様が痛くも辛くもない映画ばっかりだ。「痛快」ですらあったりする。まぁそれはそれでいいのだけど、本当の死はやっぱり痛くて辛いんだから、それをしっかり描けている映画が少ないのはとてもおかしい事だ。映画の負けじゃないか。この映画の死は、とても痛く、辛い。あたりまえだ。あたりまえがあたりまえに描かれていること。その凄さ。そのあたりまえに翻弄されて壮絶なまでに荒んだ社会、良いだの悪いだのまで見失ってしまう程の絶望の執拗な描写。絶望のなかでほのかにたちのぼるそれぞれの生活と、人生。そしてそんな痛く辛い死と絶望の真逆として描かれる、18年ぶりに誕生した赤ん坊、その儚くも圧倒的な可能性。その立ち上った希望に注がれる皆の視線のあたたかさ。希望を忘れきった大人たちが一瞬にして可能性を取り戻す奇跡の瞬間の、これ以上ないような壮絶な描かれ方。 あれ、でもガンガン死んでいく大人たちだってひとつの生としては赤ん坊と平等のはずじゃん?あれ...?という、よく考えたらあったりまえな事実を、そっと差し出すラストからエンドロールの落とし前のつけ方。 (エンドロールで流れるジョンのあの歌の意味を、ほんとうにしっかりと理解することができたよ) 10年前には、多くの人が原因もよくわからず花粉症を患い、春先になったらこぞってクシャミして鼻水垂れ流している...なんてちっとも想像できなかったように、生殖機能がいっせいに失われるなんてこともあながちありえないことでもないなぁ。そしてそんな世界になったら、俺たちはこの映画で描かれているように激烈な勢いで荒んだり殺したり死んだりすることを、止められるだろうか。 観てください。頼むから。http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20061118#p1 http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20061123#p1 空中キャンプさんがここまで激賞するのはめずらしいな。いつも「けなさない」からこそ、逆に。http://d.hatena.ne.jp/pikao/searchdiary?word=%2a%5bmovies%5d http://d.hatena.ne.jp/pikao/20061122 ジョンの歌のくだり、その通りですね。