毒茄子
レガお君



 おっさん女

6連休最終日。

明日から出勤なんだけど
いきなり朝現れてこの足で
出来る仕事を考えろと言われても
リーダーさんは困るだろうと思って
一度詰所に顔を出す事にする。

あまり人に見つからないように
と思って裏口と裏エレベーターを目指す。
が、そういう時に限って知り合いに会う。
古巣の先輩×2、次長、
年末に一緒に滑りにいった技師さん。
みんな絶句。恥ずかしい。

詰所に行ったら案の定注目を浴びる。
婦長さんも「ホンマに来たわ〜」って。
夜勤免除になりそうなので
部長室へ挨拶に行く。
恐れていた部長は出張で不在。
次長に挨拶して退散。
呆れ顔でお大事にって言ってもらって
平和に帰ってきたけど
部長がいたらまた全然趣の違う
展開になってたのは間違いない。
とりあえずは夜勤休日勤務なしの平日出勤。

帰りにルーズソックスを買いに行く。
ギブスはつま先が出てるから
そのままではケガしそうだし
この季節は何か履いてないと寒い。
で、履けるものと言ったらルーズソックス。
店で真剣にサイズを選ぶ。
いい年してルーズソックス5足お買い上げ。
で、今日あった事をまたメル友6人にご報告。
指の腱も傷めそう。

この連休で久々に毎日魚に会った。
マジマジと顔も見た。声もたっぷり聞いた。
またしばらくおあずけ。
夏ぐらいから何とか魚の気を引こうと
髪伸ばしたりして様子を変えたり
心配されたがったりしてたけど
今は何だか急に楽になった。
あえてネコかわいがりはしないけど
それなりに心配はしてくれてるみたい。

おまけに魚が気に入る女は先輩だろうが
何だろうが、たいがい度胸満点サバサバの
おっさんの様な女ばかり。
自分がそういう女が好きなくせに
「恋愛感情湧かない」ってなに?
世の中でその類の女は
女らしくないって言われがち。

女々しいのが嫌いなくせに
おっさん女に恋愛感情湧かないって意味不明。
そうなると前の彼女ってどんな女だったのか
気になってしょうがない。
おっさんで、しかも女を感じさせる???

ドツボりそうやから考えんとこ。

2003年01月15日(水)



 ペンギンナース

出勤するなり注目を浴びる。

だいたい私がギブスの刑になったという
噂は浸透してたんだけど
現物を目の前にしてみんな興味津々
とりあえず今日のうけもちは
再入院の患者さんの入院受け×2人。

よちよち歩きで動き出す。
動線をできるだけ短縮させるために
ワゴンに色々積み込んで出かける
お公家さんのように片足ずつ進む。
めちゃくちゃノロい。
すれ違う患者さんの視線が刺さる。
下膳車の片づけをしてると、こたちゃん登場。
足は見えてないはずなのに
「おお、普通に働いとるな」って。
「何で知ってるんですか」って返したら
「町の噂や。ふふふ。」・・・早い。

ぼちぼち動くんだけど想像以上に足が重い。
急いで歩くと足がどんどん前に出て
足首に負担がかかる歩き方になる。
こんなんやったらケンケンで飛んだ方が速い。
結構イライラする。

何とか午前中に一人アナムネを取る。
ギブスの中の足がパンパンにむくんでる。
お昼ご飯は売店まで行く気がせず
食堂で出前取るけど想像以上に不味くて
さらにブルー入る。
坐ってる横にもうひとつ椅子を置いて
そこに足を上げて休憩。
ちょっと楽になったら動いて
またむくんで休憩を繰り返す。

ペンギン歩きの私に気づいた医者が
何人か声を掛けてくれる。
みんな無茶だと言う。
だんだん自分がかわいそうになってくる。
思ったより動けないから歯がゆいし。
ホモ疑惑のある船っちは
私の足見て絶句。色々聞いたあげく
「本当にお大事に」って
一番優しい事を言ってくれた。
案外優しいかなと思ってたU先生はいきなり
「足蹴っていい?」やった。
最大の難関、部長先生には会わず。

昼からは本当に足がきつくて
カルテを書くのも足を上げたまま。
片足を椅子に放りあげて坐ってる姿は
あんまりにお行儀悪いので
処置室の隅に移動。大股開きで坐る。

今日は先輩に借りたズボン白衣。
思う存分足は広げられる。
が、これも何日も着られないから
着替えを調達しないといけない。
が、小柄な私が履けるだけの
ズボンの丈の人は少ない。
あんまり長いと「松の廊下」やし
踏んでこけたら最悪。
よちよち歩くのはイライラして
本当に刃物振り回したくなる。

古巣のちびっこに連絡するも
みんなズボン白衣は持ってない。
やばい。
このままでは足が上げられないばかりか
恥ずかしいルーズソックスが丸見え。

何とか一日乗り切る。
呆けてると婦長さんから電話。
出張先からわざわざ大丈夫か確認。
今日ぐらいの部屋もちなら何とか大丈夫そう。
とりあえず明日も働いて土日は休みだから
とにかく頑張らないと。
根性あるとこ見せないと。

しんどいけど半分意地にもなってる。

2003年01月16日(木)



 へコむ

ギブス装着勤務二日目。

今日は少ないながらも
普通に部屋持ちが付いてる。
しかも4人中3人は
詰所から対角線上にある一番遠い部屋。
残るひとりはエンドステージの寝たきり。
・・・。やな予感。

出来るだけ動かなくて済むようにって
色々考えて要りそうな物は
先にワゴンに乗せて出かけるんだけど
ストマ漏れとか不測の事態は多い。
昨日の疲れを引きずってか
足が腫れるのも早い。

OP日で他の人も忙しいから
全然フォローも望めず、
ひたすらよちよちと歩き回る。
情けないやら悔しいやらで気分は最悪。
余裕の無さが顔にも出てるみたい。

そこへ新人の頃に古巣で一緒だった婦長登場。
私の足を見て、「何したん」と聞く。
かくかくしかじかと説明したら
一緒に働いてた先輩も
週末に落馬して腓骨骨折したらしい。

「あんたら、元〇〇病棟ばっかり揃って
ケガして元婦長としては非常に情けない」
とお小言を頂く。
そこに居合わせたのは
ケガした先輩がいる病棟の医者。整形。
「何?君も馬仲間か?」と聞かれたので
しっかり否定しておく。みんな色々あるみたい。

昼からは30分動いたら15分休まないと
ダルくてどうしようもない状態。
休みながら記録でも書こうかなと思ったけど
しんどくて頭が働かない。
患側をかばうので健側の足もしんどいし
腰とか太ももとか別のところにも筋肉痛発生。
何だか悲惨な状態。

もうちょっと頑張れると思ってたけど
全然体がついてこない。
二日働いてこれでは5日勤なんて無理。
辛くて情けなくて半泣きで働く。
ほんとに、ちょっと気を抜くとじわっと来る。
何とか動かないといけない用事は終わって
詰所の隅で足を挙げる。呆然。

で、こたちゃん登場。
本日ブルー最高潮の私に「おう、えらそーやな」
と声を掛けて「好きでやっとん違います」
と逆ギレされてビビったのか
後は近寄ってこなかった。薄情者。
悔しくてちょっと涙が出てしまう。

しばらくして顔を上げたら
見覚えのある後姿。なぜか魚登場。
喋りに行く元気もなく放置。
どうやらRTのカルテを見に来たみたい。
持ってこさせる事もなく謙虚でよろしい。

結局休み休み仕事をして
受け持ち4人なのに1時間半も残業。
かなり凹む。自信喪失。
もうちょっと動けると思ってたのが
しんどくなると頭まで鈍るし
とにかく病棟の隅の部屋が遠かった。
休憩室で友達に「よう辛抱したな」と言われて
気を張ってたのがブチっと切れて
不覚にもボロボロ涙が出る。悔し涙腺弱すぎ。

夜中、魚からメール。
「今日、ちょっと見かけたよ。
だっさい事になっとるなぁ^_^」って
しっかり発見されてた。
昨日の私なら「そうやろー」って笑えたけど
今日の私にとっては不愉快極まりない。
この状況で働いてる人には
「だっさい」ではなく「さすが」
と言う表現を使わねばならない。

こんど教えてやる。

2003年01月17日(金)



 実力行使

やっとこさたどりついたお休み。

出かける気もしないので
ラゲッジに積みっぱなしにしてた
魚の板を下ろしてワックスをかける。
キャリアに積んで高速走った板は
予想通り真っ黒けで
クリーニングからやり直し。
なかなかよろしい暇つぶし。

昼過ぎに職場の人からメール。
「月曜から休んだ方がいいよ。
ここは皆で腹くくってがんばるから
療養に専念する事。至急診断書用意して。
この際、〇〇〇は無視!」との事。
〇〇〇は婦長さんの下の名前。
呼び捨てってテンション高すぎ。
無視って私は自分の意志で出勤してる。
婦長さんも無理しないようにって
心配はしてくれてる。

この先輩は婦長さんが嫌いで
多分婦長さんもややこしく思ってる。
人使いが荒いと言われてる婦長。
この欠員状態の中で私の扱いをどうするか、
詰所の注目を集めてるのもわかってる。
私としてはそういう婦長さん叩きの
道具にされるのは絶対ヤダ。
でも、みんなテンション上がってるから
わたしがゴチャゴチャ言っても
所詮「気を使ってるんやわ」としか
取られんんやろうなぁ。

悶々としてたら別の先輩からメール。
「月曜はメンバーから除外して
勤務組んだからとりあえず休み。
こじれたら大変なんやから休んだ方がいい。
後遺症とか心配してんねんで。」
まだテンション低いほうやけど
要は実力行使の出席停止。
診てもらってるのは開業医なので
土日に診断書出るわけもなし。

私が何で働きたいか。
病欠でボーナス減らしたくない。
向こう2週間全休で迷惑かけたら
後々の休みに響きそうだからヤダ。
仕事休んでも家にじっとしてるなんて
絶対出来ないから働いてるほうがマシ。
ちょっとずつでも動かないと健側が弱る。
後は、根性たっぷり男前女のプライド。

夜はメル友と暇つぶし。
2日連絡しなかった会社役員は
なぜかPCの出会い系サイトから連絡してきた。
夏にそのサイトで出会って自然消滅してたのが
今回携帯サイトで私を見つけて連絡してきて
それで「久しぶり」ってなってたんだけど
切られると思ったのかまたPCから連絡。
やることが回りくどい。
元気か?って普通に連絡してきたらいいのに。

ひとりややこしい人が出現。
29歳の団体職員。
朝なと昼なと夜なと全然かまわず
自己完結型のメールをくれる。
しかもひとつメールくれたら立て続けに
2〜3個メールを送ってくる。
一度でまとめて送れんか??
なんだかストーカーちっくで
ちょっとこわくなってきた。
電話で話したいと教えてくれた
携帯の電話番号はなぜか2つ。
どうやって逃げるか考え中。

来月の携帯代の請求がちょっと心配。

2003年01月18日(土)



 懲りてない

父親が風邪。

ギブスの娘と布団の中で
ブルブル悪寒に耐えてる父親。
元気なのは母親だけで浮いてる。
去年の2月、私はインフルエンザになった。
ちょうどボードのトップシーズンを
思いっきり潰されて悔しかった。

だから今年はちゃんと予防接種したのに
今年は靱帯断裂。
理由はどうあれ滑れないのは一緒。
あんまりボードに縁がないのかな
私はこんなに愛してるのに。
よく考えたら傷めたのはボードの前足。
滑れたとしてもリフトに乗って
傷めた方の足に板をぶら下げるなんて
ちょっとやめといた方がよさそう。

と言う事でハードブーツで固定できる
ショートスキーはどうやろうと
色々ネットで調べて驚く。
「一番多い怪我は足首の捻挫」・・・げ。
ビンディングに解放機能がないので
転んだら板が絡まって
衝撃がモロに足首にかかるらしい。
折れた足のX−Rまで掲載してあって
見てるだけでブルー。

何とかサポーターとか装具をつけて
出来るものはないかなと
色々考えるんだけどよくわかんない。
懲りることを知らない私。
ついでに装具も探してみる。
金具の入ったロボットみたいなやつから
ただの保温用靴下状態のモノまで多様。

夕方からまたメル友とメール。
3つ下の子でわりと話が合う。
夕方から始めて結局夜中までチャット状態。
お互いヒマやなぁという突っ込みはナシで
いろんな話をする。
わりと包容力のある子っぽい。
社交辞令でも何でも
ケガの心配してくれる人がいるのは嬉しい。

とりあえず明日からも仕事は休み。
診断書を取りに行く予定。
相変わらず婦長さん叩きの雰囲気は続いてる。
私がツベコベ言わず休むのが
一番キレイに収まりそう。

ロングバケーション始まり始まり。

2003年01月19日(日)



 DNAのおかげ

長い休みに何をしよう?

お昼に産後の友達に会いに行く。
生後1ヶ月たった子は
しっかりと顔が父親似になってて
色黒なのまでみごとに一緒。
抱いてると父親抱いてるみたいで
気持ち悪いといってゲラゲラ笑う。
1ヶ月なのにもう、顔がしっかりしてる。

みんなで床に坐ってたんだけど
大人3人、乳飲み子1人に加えて
マルチーズとパグが1匹ずつ。
もう、動物だらけで足の踏み場なし。
TVが勝手に喋ってて
貴乃花の引退記者会見を聞き流す。

友達の家でお茶した後
診断書をもらいに行く。
先生が言うにはギブスカットの後も
1週間はよちよちと公家歩行厳守。
これをリハビリ期間と見込んで
結局2月11日までの休業。
それって、滑りに行く約束をしてる
連休が見事に病欠中になる。
今のところ諦めてないので
バレたら絶対にヤバい・・・。

夕方後輩から古巣がらみの異動内容のメール。
結構びっくりメンバーだったので
早速魚にメールでリークする。
魚はそのスタッフを「頼りになる」って
評価してたので驚いたらしく
仕事終わってすぐぐらいの時間にレスしてきた。
「うちもどんどんヘボくなるなぁ」って。
で、その下に
「今週末も滑る予定。忙しい。」って。

あらそー、よかったねーって不愉快。
でも魚の板は私が預かってる。
滑りに行くなら返さないといけないけど
メールだと回りくどいので電話。
魚は私の車が出勤してないのには気づいてたらしく
「仕事してんの?」という。
何だか悔しいから長期病欠とは言わず
「今日は休み」とだけ言っておく。
魚によると私のケガは
技師さんにも伝わってるらしい。

で、ショートスキーの話してたら
「そらしばらく大人しくしとかなあかんやろう」
とか今までの「大丈夫、大丈夫」ニュアンスとは
全然違う感じの言い方。
何だか無責任で腹がたつ。
ケガしてから魚の一言にムカつくことが多い。
しばらく関わらないほうがいいのかな。

で、魚はボード返すついでに
「時間があったら」メシに行こうと言った。
日取りはわざわざお誕生日を一日外してくれるし。
うー。イライラする。
とりあえずは明日の夕方、
椎名林檎の新譜を買いに行って気を紛らわそう。

秋からのお楽しみ、ついに発売。

2003年01月20日(月)



 厨房語彙

診断書を出しに行こう。

昨日もらってきた診断書を出しに職場へ。
忙しい時期にお休みをもらうので
お詫びのお菓子も買っていく。
お菓子を何にするか?それが大問題。
おやつの消費が激しいうちの病棟
半端な量では1日も持たない。
日勤10人で30個入りのおやつを
その日のうちに食い尽くした
ハイエナ軍団。

近くのおいしいケーキ屋で
クッキーの詰め合わせ9袋セット。
クッキーならそんなにガツガツも食えまい。
でも、包んで貰いながら
何だか足りないような気がして来て
パウンドケーキ3本セットも追加。
計2箱5400円のお詫び菓子。
何とか3日は持ってくれ。

職場に顔を出した帰り道
ツタヤに寄ったら入り口のところに
見たことある顔がいる。
幼稚園からスイミングスクールで
一緒に泳いで、短大出るまで
バイトも一緒だった子。

でも、最後に会ったのは6年前だから
とりあえず横目で見ながら通り過ぎて店内へ。
店の中から様子をうかがうけど
やっぱりそっくり。
真田〇之をエレガントにして
キアヌ・リーブスも入ってるような
スーパー男前はそうはいない。
おまけに身長は160センチもない。
スーパーちびっこ美形男。

問題は私の足。
中卒で元・スーパーヤンキーの彼は
私と判れば挨拶代わりに
ギブス蹴ってくれるぐらいの事はやりかねない。
無視する事に決め込んで店を出る。
が、「おい、〇〇〇。」としっかり呼ばれる。

そのまま立ち話が始まる。
昔の勢いで久々に喋ると
自分の口から「やかましいわ」「しばくぞ」
「泣かすぞ」とか封印してた語彙が
ボロボロ出て来る。

懐かしいやら情けないやら


2003年01月21日(火)
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