くじら浜
 夢使い







閃光   2006年09月11日(月)

雷が鳴った
夜更けに激しく鳴った
そういえば夜明けが怖いと言った子がいた
あの子は今どうしてる
もう白い朝は大丈夫ですか

太陽が沈んだ
そしたら溢れてきた
この時期の落陽はいつも溢れる

あの日ビルに飛行機が直撃した
朝一番の画面には煙を吐くビルと
泣き叫ぶ人々の様が映し出されていた








耳鳴り   2006年09月10日(日)

鼓膜の裏のあたりに違和感を感じる
もう半年くらいかな

奥歯の痛みを我慢して
キュッと力を入れたら
左の耳の奥で何かが弾けた音がして
激痛が走った

それ以来痛みは消えたが
違和感と微かな耳鳴りがする






秋の空は爽やかに高く
電線と白い雲が左耳に木霊した








匂い   2006年09月09日(土)

あのベンチに
もう一度坐りたいと思った

古い記憶などもうどうでもいい

ベンチから見上げた夕陽が
君の匂いに溶けたんだ








あの夏の日 6   2006年09月06日(水)


それでも少年は夏を探す

大きく雲を掴み
吹く風を身に纏い

樹に留まり青を感じ
土に足を入れ生命を感じ
水に打たれ天を感じ
海に抱かれ宇宙を感じ
山に抱かれ鼓動を感じ
流れ落ちたモノで己を感じ
溢れ出るモノで体温を感じ
繋げた夢で軌跡を感じ
矧がれた破片で明日を感じ

それでも少年は夏を探す。








あの夏の日 5   2006年09月05日(火)

屋根に登った少年は
ひとつ大きな深呼吸をした

夏の終わりのコノ感情に戸惑いつつ
それでも次から次へと溢れ落ちる


陽射しは昨日とは比べ物にならないくらい弱々しく
崩れかかった入道雲が
わずかに変色しながら千切れていった


コノ感情はどこに流れていくんだろう

蝉が最後の力をふりしぼって鳴いている

遥か彼方の龍郷湾に太陽が落ちていく



少年はただ屋根の上に斜めに寝そべりながら

感情はただ溢れながら











夢を繋ぐ   2006年09月04日(月)

浅い眠りから目が醒める
夢を反芻し
また眠りにつく








戦場の唄・5   2006年08月30日(水)

時として焦燥の渦に飲み込まれる

暗黒の闇は静寂につつまれ
慟哭は渦に消え
出口を失った兵士はただ蹲るしかすべがない

静寂が鼓動を覆い
闇が血を遮り
発っした叫びさえも流域に消される

見えない敵に銃を向け
今、正に放たれた銃弾が静寂を突き破り
己を撃ち抜いた


                              戦場の唄・4




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