風紋
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| 2003年12月23日(火) |
近況報告(他のどんな日でもない今日) |
他のどんな日でもない「今日」という日を、何らかの形で残しておきたいという気持ちはある。その気持ちを実現するためのひとつの方法として、この場所で日記を書くということがある。しかし最近は、書こうとする余裕がないというか、…何と表現すればよいのだろうか? 他のことでいっぱいいっぱいになっているので、この場所にまで気持ちが回らない。この日記は「書かなければならない」という姿勢で書きたくはないので、素直にその気持ちに従っている。それもそれでひとつのあり方であろうと思うから。
…しかし、今日も書かないでおこうと思っていたのだけれど、書いてみると意外にするすると書けるものだ。
というわけで、書く日がどっと続いたり、書かない日がどっと続いたり、文章の長さも日によってばらばらかもしれませんが、時々でかまいませんので、ふっと読んでいただければ幸いに思います。更新したのに「何のおもしろみもない文章がたった1行しか書かれていない」というのは、読んで下さっている方々に申し訳ないかなと思ったりもしています。
○ 引き続き、とても疲れているので1日中横になっていたような気がする。
と思ったが、よく思い出してみると、少し家事や仕事もした。紙の数を数えて、表にチェックを入れて、日付ごとに輪ゴムで止める。あとはパソコンに入力すればひとまず終わり、という事務作業を1つ(まだ入力はしていない…)。
休みたい時は素直にひとまず休もうと思ってはいるものの、一方で焦燥感があるのも事実。いてもたってもいられないというか、そんな感じでいる。いろいろ先のことを考えてしまう。今、しなければならないことを必死で探して、必死でしようとして、できなくて、失望する。休みたい時に休んでいていいのかなぁ?とか。どうせそんなに休んでいられないのだったら、このまま突っ走った方がいいのではないのかしら?とか。
大掃除も一気にしようとして、結局あまりにも膨大な作業量になることに気がつき、やる気がしぼむ。
…駄目だ。焦りすぎ。待つことも覚えよう。「それにはそれにふさわしい時がある」とは、ここのところ何となく、ぽやんと考えていること。
今、できることを一生懸命に一途にする。できないことにはできるだけ手を伸ばしてみて、疲れたら休む。思いっきり休んじゃう。枕を抱えて、大好きな絵本を持って、眠ってしまおう。
以前訪れ、そしていつか再び訪れようと思っていた場所を訪れた。今日は、ひとりで。
ひとりでここを歩くのは初めて。
歩いたり、止まったり、迷ったり、座れる場所を見つけて座ったり…と、かなり長い時間、その場所を彷徨っていたように思う。急に思い立って行ったので、地図も何も持っていなかったのだが、意外と、身体が道を覚えているものだなぁとも思った。この坂。この曲がり角。そう、この道。
しかし、微妙に距離の感覚がずれていたりもした。遠いと思っていた場所が意外に近かったり、その逆も。
以前訪れた時とは、季節も時間も違う。私自身も、同じ「私」でありながらも、その時とは違う私であるとも言える。あの時から、随分いろいろなことがあった。思い通りになったことも、思いがけず嬉しかったことも、思いがけず困難なこともあった。
夕焼けの空が見えた。あぁ、ということは、あの方向が西? 夕方の、少しずつ少しずつ暗くなる街。冬にしては穏やかな気温の日。風もそれほど強くない。けれど、時間のせいか、ひとりでいるせいか、妙にさびしい…気のせい?
近くの公園では、中学生らしい女の子3人がキャッチボールをしていた。ソフトボール部かな?…にしては、制服姿…。
見えないものは見えない。見えなかったものはわからない。でも、欠片ほどのものでいいから、近づきたい。「わからない」と言い切りたくはない。でも。
私はこの場所をどう見ることができるのか? 私はこの場所をどう聴くことができるのか? 私はこの場所からどのような匂いをかぐことができるのか? 私はこの場所をどう味わうことができるのか?(いや、「場所」を「食べる」わけにはいかないか…) 私はこの場所にどう触れることができるのか? 私はこの場所にどう向き合うことができるのか? 私はこの場所を大切な場所で好きだと思っているけれど、本当に私はそう思っていいのか? そもそも私はここに来ていいのか? 今日、私はここに来て良かったのか? 私がここに今日来たことは許されることではなかったのではないか?
答えのないまま、その場所を後にした。駅に戻って、電車で帰った。恐らく、ここにはまた来るだろう。来たい。でも、行ってよいのか? その答えを誰に求めればよい? 答えはあるのか?
私は私でしかない…。私以外の誰でもない…。
○ 夜、「歌劇『サムソンとデリラ』より“バッカナール”』」(サン・サーンス)(Bacchanale from "Samson and Delilah" / Camille Saint-Saens)を聴いて、泣きそうになった。今日に限って、なぜだろう。何となく私の中では“冬の曲”というイメージがあるのだ(根拠はない)。
(2003/12/23,23:45記)
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