風紋

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2002年12月21日(土) 椎名林檎の「勝訴ストリップ」を聴いた / 取り壊しと悲しみ

さすがに疲れていたのか、起きたら昼近く。研究会を休んでしまった。ごめんなさい。

心が渇いているのか(という言い回しを使うのは少し恥ずかしいのだけれど、感覚としてはそんな感じ)、詩歌や音楽にふれたい気分になっている。そんなことをしている場合ではないような気もするけれど。

家族に、椎名林檎の「勝訴ストリップ」を借りて聴いてみた。「依存症」を聴いてみたくて。きちんと聴いたのは初めて。歌詞のところどころに、言葉では説明できないところで、でも、どきっとするほど、わかる、と思う部分があるように思う。

「幸福論」も聴いてみたい。


滋賀県豊郷町立豊郷小学校の校舎建て替えをめぐって、町長と住民が対立して騒ぎになっているということを新聞で知った(詳しくはこちら)。どちらが正しいのか正しくないのか、文化財的な価値の面から考えるとどうなのか、安全性の面から考えるとどうなのか、はわからない(今、書くことはできない)のだけれど、ただ、校舎が壊されるかもしれない、壊されるのは許せないという住民の方々の気持ちは少しだけわかるかもしれないと思った。安易に“わかる”というのは失礼かと思うし、同じ立場にない以上はわかり切れない部分もあると思うから、全部わかるとは思わないし言わないけれど、少しだけなら、わかるかもしれない、と。ガラスが割られた校舎の写真をネット上で見て、胸が痛んだ。

思い出はものに在るのではなく、心にあるのだから、もの=校舎がなくなってもかまわないという考え方もあるのかもしれない。この世界に存在するものは永遠に存在するのではなく、いつかはなくなっていくのだから、なくなるのを素直に受け容れた方がよいという考え方もあるのかもしれない。ただ、約3ヶ月前に、自宅の解体を経験した私は、確かに思い出はものではなく心にあるとわかっていても、永遠などないとわかっていても、それでもなくなるのは寂しいし哀しいんだよ、と思う。

理屈で説明できなくても、間違っていると言われても、おかしいんじゃないかと言われても、悲しむべきではないと言われても、悲しいものは悲しいのであって、他の何物でもない、と思った。そう感じること自体は否定したくないなと。理屈で説明できなくても、そう感じることがあるということは。

ガラスが割られた校舎の写真を見て、ふと、前の家の解体の場面を思い出した。見届けなければならないと思ったのだけれど、結局、重機が入っているのを見ただけで耐えられなくなったのだった。それでも頑張って見届けるべきだったのかもしれないけれど。

今でも時々、前の家のことを思い出す。あのドアを開けるときの力の入れ具合とか(建てつけが悪かったから)、廊下を歩いた時の足の裏の感触とか。覚えているつもりだったのに、忘れないつもりだったのに、日が経つにつれて記憶は確実に薄くなっていて、悔しくなる。忘れても生きてはいけるのだけれど、忘れたくないのだ。


2002年12月20日(金) 泊まり込みの夜、その後

研究室で夜を過ごした。と言っても、テンションを下げないために帰らなかっただけなので、実は午前3時頃には作業に見切りをつけていて、Webに載せない日記を書いたり、書類を書いたりしていた。6時頃から1時間ほどの間、椅子を並べて横になった。眠った気はしなかったけれど。夜明けの頃の寒さはきつかった。8時過ぎにコンビニエンスストアに朝食を買いに行って、おにぎり4個(→友人の分と私の分)とお茶を買った。おにぎりと、研究室の冷蔵庫に置きっぱなしにしていたドリンク剤を食べた(飲んだ)。8時40分頃からプロジェクタの準備などをし、9時から発表、といった感じ。

前日には本当に気分が沈んでいたので、“とりあえず出席できればいい。後は黙り込んでも泣き出してもどうなってもいい”と思っていたけれど、割と落ち着いて話せたような気がする。10月からしている週に一度の仕事のおかげだろうか。内容の出来不出来はともかく、人前で話すことに少し慣れてきたような気がする。

今日から新しいプロジェクタを使うことになっていたので、使った。しかし、どうも色の出方がおかしいみたいで、「ここの赤い太枠で囲んだところが…」と言いかけてスクリーンを見ると、赤色がどう見ても茶色にしか見えない状態で、少し可笑しかった。

私の進みはのろいけれど(ここまで来るまでにも普通の人より時間がかかっているし)、少しずつでも成長していくことができればいいな、と思う。課題は山積みで、今後考えていかねばならないことがたくさんあるけれど。

とはいえ、あまり眠っていなかったので身体的にはやはりきつく、本当は夜にアルバイトに行くはずだったのだが、休んで帰ってきて眠った。

(12月22日、0時20分記)


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浜梨 |MAIL“そよ風”(メモ程度のものを書くところ)“風向計”(はてなダイアリー。趣味、生活、その他)