冒険記録日誌
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2005年09月23日(金) たけしの挑戦状 その3

*辞表を出す*
 突然の申し出に社長はびっくりしたようだ。
「本当かね。考えなおすことはできないのか?……しかたあるまい。退職金を受け取りたまえ」
 君は給料と合わせて70万円を入手すると働きなれていた会社を出た。


*有給休暇願いを出す*
 君の申し出に社長はしぶい顔をしていった。
「さっき夏のボーナスに響くといったばかりなのに、いい度胸だ。何日でも休みたまえ」
 社長の脅しに屈してなるものかと、君は胸をはって社長室から出て、帰り支度を始めた。
 給料分20万円を入手。


*おべっかを使う*
「くだらんこといってないでさっさと仕事に戻りたまえ」
 社長は面倒くさそうに言ったが、頬の緩みから内心では機嫌が良くなっているように見えた。
 君はほっとして社長室から退席し、仕事の終了時間になってから会社を出た。
 給料分20万円を入手。


*社長を殴る*
「ギャー助けてくれーー!」
 社長が叫ぶと、社長室の出入口からぞろぞろと警備員があらわれて君をとりおさえにかかった。

警備員  技術点8 体力点6
警備員  技術点9 体力点6
警備員  技術点8 体力点7
警備員  技術点8 体力点8
警備員  技術点8 体力点5
警備員  技術点9 体力点5

 彼らは同時に襲いかかってくる。1ラウンドに君は1人にしか攻撃できないのに対し、相手は総がかりで君を攻撃してくるのだ。しかも、唯一の出口は警備員にふさがれているので逃亡もできない。
 運良く全員を倒したら君は震え上がっている社長を脅して金を奪ってから逃走(給料とあわせて100万円入手)してもいいし、「こんな会社やめてやる!」と威勢良く会社から飛び出すだけ(給料の20万円入手)にしてもいい。どちらにしても君は会社を首になる。


(シーン3:メインストリート)
 君は会社をでた。ここ大通りで君と同じく仕事帰りのサラリーマンや、買い物帰りの主婦がせわしなく歩いている。
 夕方とはいえ、まだ日は明るい。さてどうしようか。

・まっすぐ帰宅する。
・「ヨイヨイ横丁」に行ってちょっと一杯、酒を飲んみる。
・「にこにこ銀座」に行ってちょっと買い物をしてみる。
・通行人を殴る。

続く


2005年09月22日(木) たけしの挑戦状 その2

*指示どおりに出口に向かう*
 出口の方へ向かう。部屋の出際に一度だけ振り返ると、おやじはあくびをかみころしているところだった。
 いったいこの部屋はなんだったのだ?
 君は首を傾げると出口をくぐり抜ける。


*ゲームを終わるとおやじに告げる*
 君の言葉におやじが頷いて答える。
「了解した。まあ、こんなものにつきあうことはないよな」
 冒険はこれで終わる。

END


*おやじにパスワードを申告する*
 おやじは面倒くさそうに手を振った。
「本当はパスワードなんていらないよ。今回はゲームブックだぞ?ゲームオーバーになったら、どこからでも自分の好きなところから始めればいい。俺の商売もあがったりだがな……」
 しかたなく君は出口の方へ向かった。


*おやじを殴る*
「ギャー人殺しーー!」
 おやじが叫んだ瞬間、君は胸を抑えて倒れた。
「いきなり襲ってくるとは、まったく恐ろしい世の中だ」
 おやじはぼやきながら拳銃をしまった。

END


(シーン2:社長室)
 君は先程よりも小さめのだが、豪勢な机と調度品にかこまれた部屋にたっていた。くぐりぬけたはずの出口は幻だったかのように忽然と消えうせていた。
 机にはすだれ頭のさっきとはまた違うおやじが気難しそうに座っていた。
 ハッ、として君は自分の姿を見る。自分の顔は見えないが、身に付けているものは安物の背広にネクタイをした姿。誰が見ても君はサラリーマンだ。
「何をボーーーッとしている。そんなことだから最近きみの営業成績があがらないのだ」
 目の前のおやじがぶつくさと言う。
 そうだ、君はなにを忘れていたのだ。目の前にいるのは社長、今は社長室に呼び出されているのだ。
 君はだんだん自分のことを思い出してきていた。
 いつものように文句を言われた後、薄そうな給料袋を渡される。
 確か中身は20万円。これで今月も妻子を養わなくてはならないのだ。
「もう行ってもいいぞ。しかし、この調子が続けば夏のボーナスにも響くからそう思っておけよ。まったくサラリーマンは気楽な家業とはよくいったものだ」
 社長はそう嫌味を言うと、視線を机の書類に戻した。少し気を落ち着けて改めて部屋を目渡す。品のいい観葉植物、高価な置物、どれも君たち一般社員のオフィス内にはないものだ。壁にかかっている額縁には大きな字で「愛人」と書かれていて、社長のひととなりがよくわかるというものだ。
 君が立ち去ろうとしないので、社長は書類から顔も上げずに声をあらげた。
「まだ何か用か?」
 君はどうするか?

・辞表を出す。
・有給休暇願いを出す。
・おべっかを使う。
・社長を殴る。

続く


2005年09月21日(水) たけしの挑戦状 その1

(はじめに)
 この作品は双葉文庫ですら実現しなかったあの名作ファミコンゲーム「たけしの挑戦状」をモチーフにした実験ゲームブックです。
 今回は企画倒れになりそうな予感もかすかにしますが、気にしないで下さい。
 読み始める前に、以下の説明に目をとおして下さい。

1.サイコロ2つと紙とエンピツを用意して下さい。

2.主人公の能力値を以下の方法で決めておいて下さい。
技術点 (6+サイコロ1個)
体力点 (12+サイコロ2個)
運点 (6+サイコロ1個)
 戦闘ルールや運試しなどの方法は、ファイティングファンタジーシリーズのルールに準じます。体力点が0になったらゲームオーバーです。

3.所持金・所持品について
 このゲームではお金が大切な要素となっています。お金の単位は“万円”です。
また冒険スタート時の所持金は0円です。
 また所持品もゲームの攻略に必要な要素です。何か入手するたびに書き留めておいて下さい。

4.ゲームの流れ
 毎日1シーンずつ物語は進行し、最後には必ず選択肢があります。そのたびに読者は一つ選んでおいて下さい。
 翌日にそれぞれの選択肢の結果が、書いてありますので指示どおりに処理して、再びその日の選択肢を選びます。

 では、“たけしの挑戦状”いよいよスタートです。


(シーン1:コンティニュー屋)
 気が付くと君は、ガランとした大きめの部屋の中に立っていた。
 ここはどこだ?
 不思議そうに部屋を目渡すと奥に頭の禿げたおやじが1人いるのに気がついた。君が近づくとおやじはじろりとこちらを睨んでいった。
「なんのようだね?」
 君がここがどこだかわからないので教えてくれというと、おやじは面倒臭そうにため息をついて答えた。
「ここはコンティニュー屋だ。ゲームを再開するなら俺にパスワードを申告すればいい。だが、お前は新入りらしいな。なら出口はあっちだ。さっさと先に進め。お前の生活がそこから始まるだろう」
 おやじが指差した方法には、なるほど出口らしき門が見えた。
 君はどうするか、1つを選ばなくてはならない。

・指示どおりに出口に向かう。
・ゲームを終わるとおやじに告げる。
・おやじにパスワードを申告する。
・おやじを殴る。

続く


2005年09月08日(木) たけたろうの冒険 ──魔の罠の都 冒険7日目 1ページ目──

冒険記録紙  名前:たけたろう
─────────────────────────────────────
原技術点  5  技術点  5(戦闘時修正+3)
原体力点 14  体力点 14
原強運点  8  強運点  8

金貨 21枚   食料  1食分
持ち物  剣2本、皮鎧、広刃の剣(攻撃力+1)、死の猟犬の歯数本、類人猿の歯3本、コブリンの歯4本、スナタ猫の歯2本、巨人の歯1本、蜜蝋、銀の鍵(111)、毛皮のブーツ、ボンバの実、ラグナルの剣豪腕輪(攻撃力+2)、大きな鍵(12)
─────────────────────────────────────


 マンティコアを退治した今朝。私は村人の歓待を受けてすっかり、体力を取り戻していました。そのうえ族長のプロセウスさんは金貨10枚と“大きな鍵”をプレゼントしてくれました。
「鍵はカレーから来た旅人が置いていったものだ。この鍵を使えば町の門を開けられるらしい。その旅人は未来永劫あの町には戻らぬと言っておった。私も噂でしか知らぬが、靴紐一本をめぐって人殺しもおこるという町だ。十分に気をつけられよ」
 別れ際に私はプロセウスさんとガッチリ握手をします。(村人達との友情のために原強運点が8に増える)
 こうして経験をつみ、ちょっぴり成長した私は魔の罠の都カレーに向かって出発したのです。

 一時間後。
 “大きな鍵”を使ってそっとカレーの町に侵入したのに、門番に捕まってしまいました。今は牢屋の中です。(汗)
 でも悪い事ばかりでもありません。牢獄で先客にいたお爺さんが「カレーに害のある人物でないとわかれば直ぐに釈放されるだろう」と慰めてくれ、さらに重要な情報を教えてくれたのです。
 その情報とはカレーの北門(バクランドへ向かう門)は外敵へのそなえの為に、魔法によって封印されているという事でした。
 開門の呪文は、カーレの権力者達が一行ずつ記憶しているそうです。つまり、先に進む為には権力者達に会い、その呪文を教えてもらう必要があるということですね。
 面倒な話しですが、この先を横切る広大なジャバジ河を渡る橋は、カーレの中心部に建てられた橋だけです。残念ながら旅を続ける方法はそれしかないようです。

 そうと決まればグズグズしていられません。鍵のかかった牢の扉に近づき、私が呪文を唱えると、あっさりと扉は開きました。
 牢屋を抜け出して、眩しい日の光から顔をそむけながら、町を見回します。
 道は3本ほどのびているようですが、さて、どうしましょうか。

続く


2005年09月07日(水) たけたろうの冒険 ──シャムタンティの丘を越えて 冒険6日目──

冒険記録紙  名前:たけたろう
─────────────────────────────────────
原技術点  5  技術点  5(戦闘時修正+3)
原体力点 14  体力点 13
原強運点  7  強運点  7

金貨 11枚   食料  1食分
持ち物  剣2本、皮鎧、広刃の剣(攻撃力+1)、死の猟犬の歯数本、類人猿の歯3本、コブリンの歯4本、スナタ猫の歯2本、巨人の歯1本、蜜蝋、銀の鍵(111)、毛皮のブーツ、ボンバの実、ラグナルの剣豪腕輪(攻撃力+2)
─────────────────────────────────────


 薄暗い小屋の中で6日目の朝を迎えました、私はいったいどうなってしまうのでしょうか。くすん。
 落ちていた小枝を拾い砂地の床をつつきながら、ぼんやりしていると、扉が開きました。大勢の村人がいます。
 その中でも村の酋長らしき人が口を開きました。
「乱暴な扱いをした非礼をお許しください。私は村の族長のプロセウスと申します」
 プロセウスさんは私を拘束したことを詫びながら、召し使いにパンとミルクを運び込ました。
 用心しながらも朝食をとりはじめた私に、プロセウスさんが事情を説明してくれます。
「私の唯一の跡継ぎである、年端もいかぬ娘がさらわれてしまったのです。略奪者は娘を、洞窟に住む恐るべき魔物の生け贄にするつもりなのです。旅の人、あなたこそ我々の闘志たるお方。どうか、わが跡継ぎを救出して下さい」
 これを聞いて私は思わず躊躇します。今の食事で体調こそ万全になりましたけど、私には少々荷が重過ぎませんかね。
 でも、プロセウスのお願いは一見丁重ですけど、どうにも選択の余地はないみたいです。村人がまわりを固めていて逃げられそうにないんです。
 しかたなく私は、村人たちに魔物の住むと言う洞窟まで案内され──というより連行され──真っ暗な洞窟の中へ入っていきました。
 村人から火口箱と松明を受け取ると、明かりをつけそろそろと進み出します。
 洞窟は分かれ道がいくつかあるようです。そういえば道中で、変なお爺さんが何か言っていましたね。

───洞窟の魔物の迷路には メドゥーサの眼にも劣らぬ罠多く 運なく左ならぬ道をゆく 旅の者をば迎え撃つ

 つまり左に行けということですね。そろそろと洞窟の中を歩くと、すすり泣きが聞こえてきました。
 みると族長の娘さんです。思ったより簡単に見つかりました。安堵を覚えながら、娘になぐさめの言葉をかけると、娘は私にしがみついてきます。
 そのとき、背後から轟音が聞こえてきました。あわてて振り替えると、なんと土砂崩れです。通ってきた出口への道が塞がれてしまっています。
 もはや他の出口を期待して、さらに洞窟の先に進むしかしかたがないみたいです。幸いそれから時間もたたぬうちに、前方に出口らしき光が見えてきました。
 でもその出口の光を背にして奇妙な動物のシルエットが見えました。村人の言っていた魔物もそこで待ち構えていたみたいです。
 目をこらすと巨大なライオンの体に老人の顔、猛毒のサソリの尻尾をもつ化け物。マンティコアです。
 迷う暇も選択の余地もないです!毒針の尻尾が襲ってきました。
 とっさに魔法の盾で弾き飛ばす!マンティアはちょっとビックリしたみたいに一瞬、足を止めました。私は表情を引き締めます。
「たけたろうをあんまり甘く見たらいけませんよ!」
 魔法で呼び出した火の玉を思いっきりぶつけて牽制!
 さらに、ひるんだマンティコアとの間に魔法の壁を発生させます。
「おらおらおらおらおらおらっ!です!」
 そのまま、魔法の壁を動かしてマンティコアを隅っこに追い詰めると、私は娘さんの手を引いて洞窟から逃げだしました。魔物退治はできなかったけど、救出が目的だから別にいいですよね!

 娘と共に村に帰った私は、村の大歓迎を受けました。族長が泣いて感謝してきます。強制的に洞窟にほうりこんでおきながら調子がいい人ですねぇ。
 緊張の糸が切れて、大歓声をあげる村人達の声を聞きながら地面にへたりこみます。 怪我こそしませんでしたが、体力の消耗の激しい魔法(一つにつき体力を4点消費)を3つも使ってしまいましたから、体力はわずか2点しか残っていません。今日だけはゆっくり休みましょう。
 どのみちこの先の冒険はさらに危険が待ち受けているでしょうから。

続く


2005年09月06日(火) たけたろうの冒険 ──シャムタンティの丘を越えて 冒険5日目──

冒険記録紙  名前:たけたろう
─────────────────────────────────────
原技術点  5  技術点  5(戦闘時修正+3)
原体力点 14  体力点 14
原強運点  7  強運点  7

金貨 11枚   食料  1食分
持ち物  剣2本、皮鎧、広刃の剣(攻撃力+1)、死の猟犬の歯数本、類人猿の歯3本、コブリンの歯4本、スナタ猫の歯2本、巨人の歯1本、魔法の書の1ページ、蜜蝋、銀の鍵(111)、毛皮のブーツ、ボンバの実、ラグナルの剣豪腕輪(攻撃力+2)
─────────────────────────────────────


 朝になりました。朝日を浴びると今日も生きていることに感謝したくなりますね。
 村を出ると、上り坂と下り坂の二手に道が分かれています。しばらく道に沿って上り坂を歩き続けると、黒い花の咲く野原に行き当たりました。ちょっと立ち止まります。
「どうしたんだい。この道が近道なんだよ。ねぇってば、どこ見てるの」
 ジャンが不思議そうに訪ねてきましたが、私の目は「後戻りしてもう一つの道を下ってもよい」と選択肢に釘つけになっていました。わざわざ後戻りできる選択肢があるなんて怪しい!実に怪しいです。
 慎重な私はブツブツ言うジャンを無視して引き返すことにします。文句あるなら私から離れればいいのに。

 くだり坂は小1時間も歩き続けると、また登り坂になってきました。正午になってお腹も空いてきましたけど、体力は万全なので、まだガマンして歩き続けます。
 ペチャクチャ話しつづけるジャンを相手にうんざり気味になっていると、急にジャンが静かになりました。
「止まって!誰かに見られているようだよ」
 脅かさないでくださいよ。こんな人里離れた林に人なんていないですよ。第一、魔法が使えない今襲われたら、それこそ大ピンチじゃないですか。
 そのとき薮を掻き分けて、黒装束の男が偃月刀を振り上げて襲ってきました!アワワワワワ。大ピンチです。ジャン!君のせいで魔法が使えないんですよ。なんとかして下さい!
「わかったよ。じゃあ、応援する。フレー、フレー。たけたろうガンバレー」
 ジャン、やめてください。力が抜けます…。

殺し屋  技術点8  体力点6

 装備品のおかげで攻撃力は互角。あとは気力の勝負です!
1ラウンド 攻撃失敗。ダメージ2を受ける。
2ラウンド 攻撃失敗。ダメージ2を受ける。
3ラウンド 攻撃成功。ダメージ2を与える。
4ラウンド 攻撃成功。ダメージ2を与える。
5ラウンド 攻撃成功。ダメージ2を与える。勝利!

 やりました!今回の冒険ではじめて、剣の勝負でやっつけましたよ。
バンザーイ、バンザーイ、バン…

──相手の体力点が3以下になったら、命を助けてやってかまわない。その場合は一八七へ。

 あっ…。そんな選択肢があったことを忘れてました。(汗)
 殺してしまったものはしかたありません。黒装束の人の冥福を祈ってあげてから死体を探ります。収穫は金貨3枚でした。
 今度は小さな木の家にたどり着きます。お婆さんが家の中へ招いてお茶をご馳走してくれたので、ありがたくいただきました。(体力点と運点が1ずつ増える)
 すると、なぜかお婆さんはだんだん機嫌が悪くなり、悪態をついてのろのろと台所で何か飲んだかと思うと、すぐにもどってきました。
「たけたろうさんとやら。茶飲み話に、あんたの旅のことを聞かせておくれ」
 それはいいけどお婆さん。今の怪しい動きはなんですか。すごく気になるんですけど!

 気を取り直して旅の話しを聞かせてあげます。途中で老人から魔法の書の1ページを貰ったことを話してそれを取り出しますと、大喜びでそれをひったくってしまいました。なんでも本当はお婆さんの物でして、数日前に盗まれていたのだそうです。
 お婆さんは感謝して、お礼にと魔法を唱えてジャンを追い払ってくれました。
 ああ…これで再び魔法が使えるようになりました。お婆さんに礼を言うと今度は1人で旅を再開します。
 それにしてもジャンの魔法無効化能力は、お婆さんの魔法には効かないのでしょうかね?

 また夕方になった頃、トレパニの村にやってきました。そろそろ今夜の寝床を考えなくてはいけません。
 この村の住民は、好戦的な人オークだと聞いていたので警戒していたのですが、なんだか様子が変です。村人達は広場で寄り集まって暗い顔をしています。
 やっかいごとに巻き込まれないようにと宿屋に駆け込み、金貨3枚を支払って熱々の食事を取ると、すぐに村を出て野宿の支度をすることにしました。
 今日は、まあまあ平穏な日でしたね。おやすみなさい…。

 うとうとし始めたとき、急に身体中が身動き取れなくなってしまいました。
 目を醒ますと、トレパニの住民が3人がかりで私を押さえつけ、あっという間に大きなズタ袋に入れられてしまいます。
 えっほ、えっほというかけ声と共にしばらく袋の中で揺られていると、やがて村の小さな小屋の中にほうりこまれて閉じ込められてしまいました。
 な、なんなのですか!いったい!
 今は真夜中。小屋は鍵がかかって出られません。さらに最悪なことにDOPの呪文を使うとか気の利いた選択肢がありません。こうなったら成るように成れと考えて寝ることにします。
 やれやれです。せっかく良い日だと思ったのに…。おやすみなさい!

続く


2005年09月05日(月) たけたろうの冒険 ──シャムタンティの丘を越えて 冒険4日目──

冒険記録紙  名前:たけたろう
─────────────────────────────────────
原技術点 5   技術点 5(戦闘時修正+3)
原体力点 14  体力点 7
原強運点 7   強運点 7

金貨 8枚   食料  2食分
持ち物  剣、皮鎧、広刃の剣(攻撃力+1)、グランドドラゴルの斧(攻撃力−1)、死の猟犬の歯数本、類人猿の歯3本、コブリンの歯4本、スナタ猫の歯2本、巨人の歯1本、魔法の書の1ページ、蜜蝋、銀の鍵(111)、毛皮のブーツ、ボンバの実、ラグナルの剣豪腕輪(攻撃力+2)
─────────────────────────────────────


 徹夜明けの朝になりました。新しい穴は無事に完成し、約束どおり村人が賃金をくれます。金貨3枚です。
 たった金貨3枚ですか・・・食事1回で使い切っちゃうような金額です。ちょっとガッカリして、眠たい目をこすりながら旅を続けます。
 山を下って、つり橋を渡ると、奇妙なせむし男に道を塞ぐように立っているところに出会いました。なぞかけのようなことを聞いてくるので答えると、正解だったらしく道をあけてくれます。
「洞窟の魔物の迷路には メドゥーサの眼にも劣らぬ罠多く 運なく左ならぬ道をゆく 旅の者をば迎え撃つ」
 通り際に、せむし男が謎めいた詩のようなことを言いました。
 よくわかりませんが、覚えておいて損はないでしょう。
 そのあとは特に危険なこともなく、丘を歩き続けます。
 もう午後も遅くなった頃、元気の良い話し声が聞こえてきました。親指くらいの羽の生えた人間の形をした小さな生き物です。人懐っこく、ぶんぶんとあたりを飛び回るので、うるさくってかないません。
 ちょっと分身の魔法でも使って驚かせてやりましょう・・・と、と。

あれ?魔法が働きませんよ。そんな馬鹿な!*

「時間の無駄だよ、僕のそぼで魔法を使っても!」

 その小さな生き物がくすくす笑いながらいいました。
「おいら豆人のジャン。僕が傍にいると魔法は使えなくなるのさ。ところで、この先はビリタンティの村だよ。とっても楽しい村なんだ。ちょっと物価は高いけどね。さあ、行こうよ!」
 行こうよ・・・って。君がいると魔法が使えないんでしょ。
 ブルルルルル!とんでもない!私を1人にしておいて下さい!
 私の抗議にもジャンは気にした様子もありません。
「だよね。だよね。でも君について行くもんね」
 手で追い払おうとしてもジャンはすばしっこく逃げてしまいます。あきらめて歩き始めると、ジャンが私の肩にちゃっかり止まって足をぶらぶらさせています。
 やれやれ、とんだ疫病神を拾ったものです。

 そうこうするうちにビリタンティの村にやってきました。ジャンによると健康に良い水晶の滝というのが、この村の観光の目玉だそうです。今日はお祭りだそうで、村の中は大賑わい。
 まずはグランドドラゴル酒場という看板にひかれて、店に入ってみます。私はグランドドラゴルという名のついた斧を持っています。この斧は盗賊たちの村で買いましたからね。ひょっとしてこの斧の持ち主は・・・?
「どこで手に入れた?確かにそれは私の斧だ」
 酒場の主人は大喜びで斧を受け取ると、酒を奢ってくれました。旅の話なんかしてみると、カレーの町では困った事があったら私の友人のヴィクを頼るといい、と助言してくれました。さらに水晶の滝への通行証と、斧の代わりに普通の剣をくれます。
 酒をたらふく飲んだあとは、水晶の滝へ。
 ならず者たちが滝の入り口で入場料を徴収していましたが、通行証を見せるとあっさり通してくれ、タオル代わりの布切れをもらいます。この布って、アイテムチェック欄に入れていいのかしらん?
 水晶滝は健康に良いとの評判は本当らしく、しばらく滝に打たれているとあっという間に体力が原点まで回復しました。
 最後に宿に向かいましたが、宿泊が金貨5枚、食事だけでも金貨4枚と無茶苦茶高値です。宿を断って、村はずれで野営することにします。
 ぼそぼそと携帯食料を食べると、すぐ横になりました。
 気が付くとジャンはとっくに寝入っています。こっそり抜け出そうかとも思いましたが、昨日寝ていないので、私もすぐに眠りの世界に入ってしまいました。
 お休みなさい。


続く


*いや、本当はわかっているんですけどね。一度くらい魔法を失敗したシーンがないと、物語的にジャンが怖いと思えないじゃないですか。(^^)


2005年09月04日(日) たけたろうの冒険 ──シャムタンティの丘を越えて 冒険3日目──

冒険記録紙  名前:たけたろう
─────────────────────────────────────
原技術点 5   技術点 5(戦闘時修正+1)
原体力点 14  体力点 14
原強運点 7   強運点 7

金貨 1枚   食料  2食分
持ち物  剣、皮鎧、広刃の剣(攻撃力+1)、グランドドラゴルの斧(攻撃力−1)、死の猟犬の歯数本、類人猿の歯3本、コブリンの歯4本、スナタ猫の歯2本、巨人の歯1本、魔法の書の1ページ、蜜蝋、銀の鍵(111)、毛皮のブーツ、ボンバの実
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 朝になりました。クリスタンティを出て、山道をうねうねと歩きつづけますと、分かれ道に突き当りました。おや、道しるべがありますね。

──直進「ダンパスへ」
──西「アリアンナへ」

 昨日の酒場で老人が言っていたアリアンナですか。ちょっと興味がありますね。
 そちらに向かってみますと、小さな小屋にたどり着きました。誰もいないようですね。せっかく来たのでそっとお邪魔しましょう。
 小屋の中は、家具もあり清潔な様子でしたが、なぜかでっかい檻が真ん中に据えられて中に美しい女性が閉じ込められていました。
 この方がアリアンナさんでしょうか?しばし呆然とした私に向かって女性は必死に訴えてきました。
「旅の方、ここから出してください!いたずらな妖精たちに閉じ込められたのです」
 美人の頼みなら断れません。檻には丈夫そうな錠前が掛かっているようですが、なーに。

DOP!

 私が呪文を唱えると、檻にかかっていた錠はひとりでにカチッ、と音がしてはずれました。女性は喜びをあらわにして、檻から出てきてこう言いました。
「ありがとうございます。あなたに是非お礼がしたいのですが、魔法に使う品と、闘いの役に立つ品。どちらがお望みですか」
 魔法使いの私としては、もちろん魔法に使う品!・・・・・・と、いいたいところですが、長い旅ではやむなく剣で戦わなければいけない場合もあるでしょう。
 そのときに技術点5の私では、危なくてしかたありません。闘いの役に立つ品を希望して、ラグナルの剣豪腕輪をいただきました。なんと攻撃力+2の効果だそうです!これで私もコブリンみたいな雑魚相手なら勝てそうになってきました。さらに金貨7枚もいただきます。これはこれは重ね重ねありがたいことです。丁寧にお礼を言って、おいとましようとします。
「お待ち」
 その女性、アリアンナさんは、急に私を呼び止めました。へっ、何ですか。
「アリアンナは戦わずして、褒美をやったりはしない!」
 アリアンナさんがそう言い放つと、椅子がピクピクと動き出して、ゴーレムに変身したではありませんか。
 なんだかわかりませんが襲ってきましたよ。なに、なにをするとですか!急いで片手を上げて呪文を唱え、手のひらに生まれた火球をゴーレムに向かって投げつけます。

 命中!

 松明のように燃えるゴーレムを尻目に、急いで逃げ出しました。ふぅ、美人の考えることはわかりません。
 こうしてすっかりくたくたになった夕方頃、私は小さなダンパスという村にやって来ました。少し商店を覗いてみましたが、今の手持ちの金貨は8枚。ここで買い物をすれば、今晩の宿代すら残りません。それどころか、今後収入が入る予定もないのです。
「なんだい。不景気なつらして。ここは景気つけにパーッと、なんか買わないかい」
 商人のおっちゃんが話し掛けてきます。ごめんなさい、私は貧乏なんです。
「ふーん。そうゆうことなら、いい仕事の口があるよ。俺の知り合いが新しい肥溜め用の穴を作りたがっているから掘ってみないか。ま、徹夜の作業になるけど手間賃の他に食事もつくからよ」
 一時間後。
 食事をご馳走してもらった後、私は必死に肥溜め掘りをしていました。
 これも路銀かせぎの為ですから仕方ありません。でも。
 アナランドの全国民の命運をかけて旅をしているはずの私が、なんでこんなことをしているのでしょう・・・・・・。
 それもこれも全部、ろくな支度金を持たせなかった王様が悪いんですよ!


続く


2005年09月03日(土) たけたろうの冒険 ──シャムタンティの丘を越えて 冒険2日目──

冒険記録紙  名前:たけたろう
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原技術点 5   技術点 5(戦闘時修正+1)
原体力点 14  体力点 14
原強運点 7   強運点 7

金貨 7枚   食料  2食分
持ち物  剣、皮鎧、広刃の剣(攻撃力+1)、グランドドラゴルの斧(攻撃力−1)、死の猟犬の歯数本、類人猿の歯3本、コブリンの歯4本、スナタ猫の歯2本、巨人の歯1本、魔法の書の1ページ、蜜蝋
─────────────────────────────────────


 朝になりました。涼しい山の空気を思いっきり深呼吸してから、歩きはじめます。
 小山の頂きにたどりついたとき、ちょっと目を見張りました。ここには生首を刺した杭が何本も打ち込まれているのです。
 「ここに入るな」という警告でしょうか。でも道は右の登り道と左の下り道に分岐しています。どっちのことを意味しているのでしょう。
 ため息をつくと右の登り道に進みます。
 そのまま数時間歩くと、金属を打ち付けあう音が聞こえてきました。大勢のコブリンが草地をせわしなく歩いています。山腹に洞窟の入り口がみえるところを見ると、ここは鉱山なのでしょう。
 ちょっとした好奇心から、コブリンの目を盗んでそっと洞窟に侵入してみます。
通路を進み扉を開けると、大柄なコブリンが一匹腰をおろしています。そいつは私が入ってくると鼻をひくつかせます。
「今入ってきたおまえ、知らない匂いがするぞ!」
 さわがれると面倒です。コブリンに向かって指を突き出すと、鋭い電撃の呪文でやっつけました。この呪文はひどく体力を消耗しますが、今の私は剣で戦ってもコブリンより弱いのでしかたありません。111と書いた銀の鍵を戦利品にもらっておきます。この鉱山の鍵でしょうか。
 部屋を出てさらに通路の奥へ奥へと進んでいきます。ここは明かりも無くもう真っ暗です。そーと、手探りで進んでいきます。すると通路を支えている梁の一本にけつまづきました。
 その途端、天井から木の裂ける音が聞こえてきました。まずいです!あわててさらに奥へ奥へと走っていきます。さっきまで立っていたところはたちまち瓦礫が落下して埋まってしまいます。
 夢中で走りつづけると、急に体が宙に浮きます。穴にでも落下したようです。慌てて呪文を唱えて、落下の衝撃を静めます。落下した先は別の通路で、光が差し込んでいます。どうやら出口が近いようです。傍に落ちていたボリンの毛皮のブーツを拾うと鉱山を抜けて、山を下りました。

 夕方になってクリスタンティという村にたどり着くと、酒場で金貨1枚を払って人心地つくことにします。同席した老人はこの先にアリアンナという女の家へ向かう道と、リー・キという巨人の住む地域へ向かう道があると教えてくれました。おまけにボンバの実という滋養のある果物までいただきます。すっかり世話になった礼を言うと、金貨5枚を払って宿屋に入り、スカンク熊汁を食べ、部屋をとって寝ることにします。
 今日は呪文でたいぶ体力を消耗しましたから、体力の回復につとめないといけません。
 お休みなさい。


続く


2005年09月02日(金) たけたろうの冒険 ──シャムタンティの丘を越えて 冒険初日──

冒険記録紙  名前:たけたろう
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原技術点 5   技術点 5
原体力点 14  体力点 14
原強運点 7   強運点 7

金貨 20枚   食料  2食分
持ち物  剣、皮鎧
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 目がさめた私は着替えをすませ、山羊の乳とパンの食事をとり、支度を済ませます。
 持ち物は剣と皮鎧。食料2食分が入った背負い袋。支度金として金貨20枚も用意しました。
 アナランドの前哨部隊がいるシャムタンティ門に向うと、見張り役の物見頭が正義の女神リブラの加護を祈ってくれます。

 さあ、いよいよ出発です。
 夜明けの空気はきりりと冷え、登る太陽が山々を美しく染めています。とても死地に赴く冒険には思えない光景です。
 私は旅の幸運を祈りにやってきた皆さんと別れ、一人で道を歩き始めました。

 小一時間ほど歩き小さな集落にたどり着くと、商人の家に入ります。まずは装備品を整えなくてはいけません。
 まず狙っていたのは広刃の剣。店の親父の言い値はサイコロ2個分の数字なのですが、戦闘力があがるので絶対に欲しいところです。幸い値段は金貨7枚でしたので購入します。
 他にはグランドラコルと名前のついた斧と、動物の歯のつまった袋を購入しました。これで残りの金貨は7枚です。歯はいろいろな種類の生き物の歯が入っていましたが、そのうちコブリンの歯4本と巨人の歯1本が呪文の触媒に使えそうです。
 本当は薬草とか笛も購入したいのだけど、なぜか商品は3つまでしか買えないのでしかたありません。でもなんでそんな制限があるのでしょうかね?
 村を出ようとすると山賊たちが襲ってきましたが、魔法の壁を作って跳ね返してやります。山賊は魔法の力に怯えて逃げていきました。
 ふん、と鼻を鳴らします。
 私も無駄死は嫌ですからね。魔法はキッチリ覚えてマスターしていますよ。
 道中で木から降りられなくなった老人を助けるパプニングがありました。老人から礼にと、魔法の書の1ページを貰ったけど役にたつのでしょうか。
 他にミツバチの巣を見つけて、蜂蜜と蜜蝋を入手します。運良く蜂に刺されることもなく、ちょっとした拾い物にホクホクします。
 そのまま日が暮れるまで歩き、野営の支度をします。さっきの蜂蜜を食べ尽くして、寝ることにします。
 お休みなさい。


続く


2005年09月01日(木) たけたろうの冒険 ──シャムタンティの丘を越えて 冒険前夜──

 たけたろうです。
 明日から私は、はるか遠い───“シャムタンティの丘”を越え、“港町カレー”の橋を渡り、広大な荒地の“バク地方”の向こう───“マンパン砦”まで出かけて、奪われたアナランドの宝「諸王の冠」を取り戻す旅に出なくてはいけないのです。
 それは、おそらく今まで経験したのどの旅よりも、格段に危険なものになるそうです。
 それでも私は出かけないわけにはいかないのです。そうなれば期待して送別会まで開いてくれたみんなに袋叩きにあうのはわかっていますから。しくしくしくしく。
 机のそばの羊皮紙をチラリと見ます。
 そこには私がこの冒険に志願したときの試験の結果が書いてあります。

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技術点 5
体力点 14
強運点 7
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 どうしてこんな成績で私がこんな重大な任務を任されたのかわかりません。(汗)
 しかし、能力値が高い奴が一番でもないでしょう。私は魔法使いだから、なんとかなると思います。だったらいいな。
 魔法書にもう一度目を通したら、英気を養う為にすぐに毛布にくるまって寝るつもりです。
 生きて帰れたらいいなぁ。おやすみなさい。


続く


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