ぼくたちは世界から忘れ去られているんだ

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2003年12月24日(水) トゥルウトゥエンティエイト
笠木はどこ。どこにいったの。
どうしていなくなっちゃったの。
どうして。頭の中を?が飛び交う。
「とにかく、こっち来て、あったまりな」
おじさんが云う。
けれどわたしの頭のなかは笠木のことでいっぱいだった。

2003年12月14日(日) トゥルウトゥエンティセブン
「笠木さん、笠木さんは?」
「笠木?誰のこと?」
そういったのはまだ若い、でもみるからに、それってわかるような漁師さんだった。
「あの、一緒に飛び込んだんですが」
その人は家々の連なるほうへ向かって叫んだ。
「見つかったのこの子だけだよねぇ?」
足音を盛大に立てて色の黒いおじさんがやってきてこれまた大きな声で云った。
「あー、そうだよ」
「うそ、笠木さん、笠木、チヨコ、ねぇどこ?」
わたしの声は空に消えていく。

2003年12月09日(火) トゥルウトゥエンティシクス




















気がつくとそこは青い、どうしようもないぐらいあおい空の下で、わたしは空と地面が何らかの力によって逆転し、わたしは空を靴の先を見るようにして、空を見下ろしているのだと思った。


















2003年12月05日(金) トゥルウトゥエンティファイブ
その日、わたしたちは朝早く家をでた。家っていうより、アパートだけど。
それは確か。三時半くらいかな。すごく早かった。


そして、わたしたちは海へと向かった。

「手ぇ、つなご」
笠木がささやくともなくささやいた。
「うん」
これ以上ないってぐらい力強く答えたつもりが、全然そうじゃなかった。

そして、わたしたちは暗い海へと飛び込んだ。

そして。


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